ブックブック12冊目

f:id:henrymiura:20181228181548j:plain


ブログを始めてから13年、ブログブックも12冊目になった。昨年分2017年版を本にした。最近はフェイスブックに書くことが多く、ブログに書く記事は減って本も薄くなった。読書感想やそぞろ歩きの記事を自分の記録として書き続けてきた。
 いつまで続くか? だが、頭がボケるまでは続けたい!

f:id:henrymiura:20181228110109j:plain

「日本文学の古典」(岩波新書)を読む

 先に書かせていただいた、岩波「図書」の”はじめての新書”で紹介されていた「日本文学の古典」を読んだ。源氏物語平家物語枕草子方丈記徒然草、などの他、能、狂言、歌舞伎、人形浄瑠璃などいろいろな古典を要所を抑えて紹介、解説してくれている。このような日本の古典がどのような歴史的背景の中で書かれてきたかがよく理解できた。
 私にとっての好きな古典は、徒然草方丈記風姿花伝あたりだろうか。源氏物語平家物語も拾い読みはしてきたが、通読はしていない。源氏、平家や徒然草も読み返してみたいと思う。
 
 この本の中で徒然草の百五十五段を紹介していた。以前にも読んだことがあったのだが、あまり印象に残っていなかった。今回読んでみて改めて素晴らしい文章だなと思った。読みながら、蓮如の「白骨の御文章」を思い出したが、徒然草のこの文章のほうがいいのではないかと思った。
 以下にご参考に百五十五段の後半部を転記しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の來るにはあらず。春はやがて夏の氣を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は則ち寒くなり、十月(かんなづき)は小春の天氣、草も青くなり、梅も莟(つぼ)みぬ。木の葉の落つるも、まづ落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり。迎ふる氣、下に設けたる故に、待ち取る序(ついで)、甚だ早し。生・老・病・死の移り來る事、又これに過ぎたり。四季はなほ定まれる序あり。死期(しご)は序を待たず。死は前よりしも來らず、かねて後に迫れり。人みな死ある事を知りて、待つ事、しかも急ならざるに、覺えずして來る。沖の干潟遥かなれども、磯より潮の滿つるが如し。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
里の秋も葉が落ちたが、早くも蝋梅の花が咲いたところもあると聞く。”冬来たりなば、春遠からじ” 
上記の文章に感じ入るところが多くなったのも歳を重ねてきた証なのだろう。

<NHK BS1 スペシャル 「隠された日本兵のトラウマ 陸軍病院8002人の病床日記」>

 NHKBS1スペシャルで標題のドキュメンタリーを放送した。
 
 私は市川の菅野で生まれ、真間小学校、市川市立二中に通った。そんなわけで、真間山や国府台の里見公園などは曽遊の地でもあった。
 国府台に病院があり、式場病院という気違い病院(当時子供だった私たちはそう呼んでいた)もあり、怖いイメージを持っていた。どちらも元は陸軍病院だったことは大人になってから知った。それがまた、今回のドキュメンタリで太平洋戦争での中国、アジア各地での精神障害兵士を収容、診療?した精神病院だったということを知らされた。
 戦後50年間封印されていた病床日記が、以下に書かれている如く、今回放送された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
日中戦争から太平洋戦争の時代、精神障害兵士が送られた国府陸軍病院。ひそかに保管された8002人の「病床日誌(カルテ)」が研究者よって分析され、日本兵の戦時トラウマの全貌が明らかになった。戦場の衝撃に加え、精神主義による制裁や住民への加害の罪悪感が発病につながっていたことが判明した。番組では発病地の多い中国での治安戦の実態を取材。戦後も社会復帰を阻まれた兵士と、その家族の姿をカルテをもとに追跡する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 我々の受けた戦後の教育では、こんな事実があったことは、小中学校の先生は誰も教えてくれなかった。
 歴史や政治、経済など、自分で勉強したり、本を読んだりしないと知らなかったことがまだまだたくさんある。
 現在国府台には国立国府台病院と精神病院の式場病院がある。私の父は気違いではなかったが、気違い水をたくさん飲んだたたり?で肝硬変で国府台病院に入院し、60歳の若さであの世へ行った。
 この番組を見ながら父の死を思い出した。
 NHKは良い番組を作って放送してくれたと思う。
 再放送があると思いますので、ご覧にならなかった方は是非見ていただきたいと思います。

〈里の秋、紅葉見納め その2〉

 今年の秋は何やかやとあって、紅葉の名所には行けず、もっぱら里の秋で終わってしまった。
 今日はさいたま市北区ステラタウンの買い物ついでに広場の紅葉を鑑賞。きれいなグラデーションに紅葉している樹に目がとまった。
 桂の樹かと思って、付いていた名札を見たら、中国原産の南京櫨(ハゼ)という樹で初めて見た。白い実はロウソクの材料になると言う。
 今年の紅葉も見納めだが、いろいろな紅葉があるものだと、改めて楽しんだ!f:id:henrymiura:20181207125409j:plain
f:id:henrymiura:20181207125920j:plain
f:id:henrymiura:20181207203215j:plain 

〈里の秋、紅葉見納め その1〉

モミジの紅葉は赤とばかり思っていたが、黄色に染まるものがあると知った。
 我が団地の緑道の近くに黄色く染まった紅葉があることに気がついた。色々ググってみると、イタヤカエデという品種が黄色く紅葉(黄葉)することが分かった。
 これもまたをかしけれであります。

f:id:henrymiura:20181204160502j:plain

イタヤカエデの黄葉

 

「はじめての新書」(岩波書店 図書)

 岩波書店が最近の「図書」で「はじめての新書」という特集をした。岩波新書だけでなく、中公新書講談社現代新書など、ほかの新書も扱っている。各界の著名人がそれぞれの「はじめての新書」について語っている。私と共通する本も多く、懐かしい思いがして、読み返してみたくなるものも多い。
 
 学生時代、つまらない工学部の授業を聞かずに、後ろの席でよく新書を読んでいた。その頃は、昨今のようにいろんな新書がなく、ほとんどが岩波新書中公新書だったと思う。昔の新書は150円程で、昨今は750円から1000円。昔はコーヒー一杯の値段だった。
 私にとって、初めての新書は何だったろうか? 印象に残っているのは、「禅と日本文化」「ギリシャ神話」「数学入門」(遠山啓)「知的生産の技術」「新唐詩選」あたりだろうか。「禅と日本文化」(鈴木大拙)は1964年購入と記してあるから、20歳の時だ。この本は、その後何度も読み、あちこちに線を引いている。
 
 「知的生産の技術」は、読後、私も京大式カード等を購入し一時入れ込んだことがある。その後、わが情報管理はシステムノート、野口式超整理などとトライしたが、現在は、野口式A4封筒管理とA6手帳に落ち着いている。
 
 この「図書」の特集を読んで、まだ読んでなく、気になっていた「日本文学の古典」「英語でよむ万葉集」「無限論の教室」などの新書を図書館で借りて読んでいる。
 

< メタセコイア、セコイア、ラクウショウ どう違うのか>

 別所沼公園で久しぶりにメタセコイアラクウショウを見てその違いが気になった。また、カリフォルニアに住んでいたころセコイア国立公園に行ったことがあるが、セコイアとの違いは何だろうと合わせて調べてみた。
 ラクウショウは漢字では落羽松と書くようだが、ラクウショウは樹の周りに呼吸根が生えているところが大きな違いと、葉のつき方が、互い違いに出る互生で、メタセコイアの対生と異なる。
 メタセコイアは、日本を含む北半球で化石として発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていたが、1945年に中国四川省(現在の湖北省利川市)で現存していることが確認された。 1939年に日本の関西地方の第三紀層で、常緑種のセコイアに似た落葉種の植物遺体(化石の1種)が発見された。発見者の三木茂により、セコイアに「のちの、変わった」という意味の接頭語である「メタ」をつけて「メタセコイア」と命名され、1941年に学会へ発表されたとのこと。
 ...

もっと見る
 

f:id:henrymiura:20170606124136j:plain

ラクウショウの呼吸根

f:id:henrymiura:20170606121355j:plain

ラクウショウ の互生の葉

f:id:henrymiura:20170527145639j:plain

メタセコイアの対生の葉

 

f:id:henrymiura:20181204160706j:plain

セコイア国立公園の将軍の樹