<佐藤優 「知の操縦法」を読む>

友人Oさんの紹介で、佐藤優の「知の操縦法」を読んだ。 本の帯に、「ヘイト本、安保法制、歴史問題……反知性主義が横行するいま、求められている知とは何か――。情報が氾濫するインターネット社会でブレない思考の枠組みをつくり、多元的に世界を見るたの知の…

<漱石 「道草」を読む>

漱石のドラマを見て、「漱石の思い出」を読んだ。漱石をもう少し読んでみたくなり、自伝的小説と言われている「道草」を読んだ。漱石の親子、兄弟関係や夫婦関係、幼少時代のことが、自伝とは言えないまでもよく書かれていて、「漱石の思い出」とともに、面…

夏目漱石の妻=夏目鏡子=悪妻?

NHKドラマで「夏目漱石の妻」を連続4回見た。夏目漱石の妻はソクラテスの妻と並んで悪妻と言われてきた。ソクラテスの言葉だったか、悪妻を持つと哲学者になる!ということを高校時代に読んだことがある。そんなわけで、このドラマを面白く拝見した。どれほ…

「日本会議」を読む

昼のTBSラジオで青木理が「日本会議」について語っていた。最近書店で「日本会議」についての本が数冊並んでいるのは目にしていたが、読んだことがなかったし、どんなものなのかも知らなかった。青木理の「日本会議の正体」と、「日本会議 戦前回帰への情念…

「風土記の世界」(岩波新書:三浦祐之)

今までに、古代史についてはそこそこの本を読み、記紀については三浦祐之さんの「口語訳古事記」や「古事記の世界」なども読んできた。風土記については、出雲国風土記、常陸国風土記など関心はあり読んでみようと思いつつ、ちょっと敷居が高く読んでいなか…

近藤正高の「タモリと戦後ニッポン」(講談社現代新書)

近藤正高の「タモリと戦後ニッポン」を読んだ。以前ベストセラーになった「タモリ論」(新潮新書:樋口毅宏)を読んだが、タモリのことについてはあまり突っ込んで書いていないのがちょっと物足りなかった。 私は、タモリより一つ年上だが、同世代、早稲田…

<佐々井秀嶺(アーリア・ナーガールジュナ)とアンベードカル>

長男がインド一億人の仏教指導者、佐々井秀嶺氏の事をメールしてきた。佐々井秀嶺氏は1935年岡山県生まれ、インドで活動している日系インド人(一世)の僧である。ナーグプールのインドラ寺(インドラ・ブッダ・ビハール)にて住職を務めている。カースト未…

「ニュートン」 6月号を読む

ニュートン6月号 特集がどれも興味があったので久しぶりに購入した。以前から、北大物理学科卒の同期のTさんからニュートンの購読を進められていたが、すべての内容に関心があるわけではないので、図書館で読むことが多かった。 今月号は下の画像にあるよう…

「音と文明」(大橋力)

A塾のOさんから紹介された「音と文明」という600頁の本を読んだ。この大橋さんという方、初めて知ったが、芸術家としては、作曲、指揮、演出、制作などに携わる一方、科学者として、情報環境学、感性科学、演出工学、分子生物学、人工生命、生態人類学など…

「和漢診療学」(寺澤捷年:岩波新書)

和漢診療学――あたらしい漢方 (岩波新書) 作者: 寺澤捷年 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2015/11/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 高校時代の同級生、寺澤捷年さんが岩波新書から「和漢診療学」という本を出版した。彼は、千葉大学の医学…

浅田次郎

「霞町物語」「勇気凛凛ルリの色」二冊を家人の勧めで読んだ。浅田次郎は「鉄道員」「壬生義士伝」等の作家として知っていた。「鉄道員」は良い物語の映画だったが、原作は読んでいない。「壬生義士伝」は最初の方だけ読んでやめてしまった。 霞町物語は、浅…

 <南方熊楠を読む>

「南方熊楠 - 日本人の可能性の極限 」(中公新書) [唐澤 太輔 ]を読んだ。 熊楠については、鶴見和子の「南方熊楠」(地球思考の比較学)[講談社学術文庫]、中沢新一の「南方熊楠コレクション:南方マンダラ」(河出文庫)、水木しげる「猫楠」などを読んで…

「高倉健」(文芸春秋社)

文藝春秋社 「高倉健」を読む。高倉健と交流、関係のあった人たちが、"健さんと私”として思い出話や、高倉健の人となりを語っている。加藤登紀子、奈良岡朋子、長嶋、王、横尾忠則、映画関係者など、みな、しみじみと、ほのぼのとした話をしている。あらため…

「モノと日本人」(榮久庵憲司) その2

榮久庵憲司さんの「モノと日本人」、「道具論」に触発されて、”モノ供養”を考えて見た。先日A塾で行った品川神社に包丁塚があった。包丁塚を見たのは初めてだった。この包丁塚、品川宿には東海道最初の宿場ということで多くの宿あり、多くの料理人が包丁を供…

  「モノと日本人」(榮久庵憲司) その1

土曜朝のTBSラジオで大宅瑛子辛口コラムという番組がある。ちょっと変わった切り口から最近の話題を取り上げる。この日は、キッコウマン醤油卓上びんをデザインを大ヒットさせたという、今年2月に亡くなった榮久庵憲司の話だった。紹介されていた、「物と日…

「新・戦争論」(池上彰・佐藤優) 

池上彰と佐藤優がこの題名でどんなことを書いているのかと読んでみた。 日本の集団的自衛権、イスラム国、エボラ出血熱、民族と宗教、ウクライナ問題、スコットランド独立騒動、北朝鮮問題尖閣問題、遠隔ナショナリズムと慰安婦問題、等々、2人の幅広く深い…

高倉健 「あなたに褒められたくて」・「旅の途中で」

高倉健の死後、彼が本も数冊書いていることを知り、最近、彼の書いた、「あなたに褒められたくて」、「旅の途中で」などを読んだ。どちらも、高倉健の人柄、生きざま(生きる姿勢)があらわれていて、しみじみとした、素晴らしいエッセイになっている。「あ…

日本の弓術

高校時代の同期の友人の柴田さんが、フランスで行なわれた弓道世界大会の記事を紹介してくれた。弓道は日本だけのスポーツとばかり思っていたが、世界大会があるとは知らなかった。 学生時代に、ドイツ語の授業でたしかオイゲン-ヘリゲルの「日本の弓術」と…

「日本の喜劇人」(小林信彦

タモリ論の中で紹介されていた小林信彦の「日本の喜劇人」を読んだ。古川緑波、榎本健一から始まり、渥美清、クレージーキャッツ、ドリフターズ、たけし、タモリに至る、まさに昭和演劇史、喜劇史になっている。森繁や伴淳三郎、三木のり平、有島一郎の映画…

「タモリ論」(樋口毅宏:新潮新書) 

友人、小川さんからのタモリの「戦後日本歌謡史」をYouTubeで聞いて、タモリの凄さが分かった。私とタモリは同じ歳、30代の頃はタモリに似ていると言われていたこともある。初めてテレビに出てきた時から、面白い芸人が出て来たものだと感心していた。一時…

「世界遺産から読み解く世界史」(田中英道:育鵬社)

昨年6月に富士山が世界文化遺産に登録された。日本人としては喜ぶべきことだろう。塾でご指導を受けている田中英道先生が「世界遺産から読み解く世界史」という本を出版された。冒頭に、富士山が自然遺産ではなく、文化遺産として認定されたことを考えなくて…

 世阿弥再読 「能」(土屋恵一郎:岩波現代文庫)

能―現在の芸術のために (岩波現代文庫―文芸)作者: 土屋恵一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2001/03/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る Eテレの100 分de名著で世阿弥を取り上げている。解説の土屋圭一郎は10…

読み初め「生命とリズム」(三木成夫:河出書房新社)

三木成夫の本は「胎児の世界」「内臓とこころ」を昨年読んだ。「生命とリズム」は著者が残したエッセイ、論文、講演をあますところなく収録。われわれ人間はどこから生まれ、どこへゆくのか―「三木生命学」のエッセンスにして最後の書だという。 今年の読み…

 2013年読み納め ]「炭水化物が人類を滅ぼすー糖質制限からみた生命の科学」

「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。 現代病を治す糖質制限食」(宮本輝+江部康二)に 続いて、「炭水化物が人類を滅ぼすー糖質制限からみた生命の科学」を読んだ。炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)作者: 夏井睦出版社/…

「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。 現代病を治す糖質制限食」(宮本輝+江部康二):東洋経済新報社

先月からインスリン注射が薬に代わった。数値が下がったからだ。特別なことをした訳ではなく、ご飯の量を半分に減らしたのだ。そんな時、家人が図書館から上記の本を借りてきた。作家の宮本輝と、糖質制限食を推進している京都の高尾病院理事長の江部康二と…

 <玄侑宗久を読む>

玄侑宗久は福島県三春町の臨済宗妙心寺派福聚寺の長男。1956年生まれ。幼稚園の時にカトリック、高校の時、モルモン教、統一教会、天理教に接し、慶應義塾大学に入り、文学部中国文学科で現代演劇を専攻。イスラム教、ものみの塔等に触れ、ヨガ道場にも…

「世界史の中の日本 本当は何がすごいのか」(田中英道:育鵬社) 

A塾の田中先生の新しい本を読ませていただいた。私は高校時代世界史を履修しなかったので、世界史の事は断片的にしか知識がない。中央公論の「世界の歴史」シリーズを数冊読んだが、通読はしていない。 古代や、インド、中国などの歴史はそこそこ興味はある…

 「内臓とこころ」(三木成夫:河出文庫)

内臓とこころ (河出文庫)作者: 三木成夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/03/05メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (11件) を見る 我家人は私の兄弟から「シーラカンス」というあだ名をつけられている。どこか常人と外れた言動をす…

「ヒッグス粒子の謎」(祥伝社新書:浅井祥仁)

昨年7月4日、スイス・ジュネーヴで、「ヒッグス粒子」と考えてほぼ間違いないとされる新粒子の発見が発表された。ピーター・ヒッグスらが理論的に予言して以来、世界中の科学者たちが50年近く探しつづけた「最後の素粒子」がついに見つかった。ヒッグス粒子…

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書:村井康彦)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)作者: 村井康彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/01/23メディア: 新書 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る 出雲王国論、邪馬台国、大和王権、神武東征、吉備の国、出雲系葛城氏など、出…

「蘇我氏の正体」(関祐二:新潮文庫)

「藤原氏の正体」(関祐二)を読んだ後、しばらく関祐二の本は読んでいなかった。A塾のT先生から、関祐二の書いたものは、ろくなものではないと言われてから、あまり読む気がしなくなっていた。今までに関祐二のものは、10数冊読んできた。あまり古代史を…

 読初:「今、神道が動く」(片山文彦:新人物往来社)

今年の読初は先に書いたダライラマの「科学への旅」とこの本。色々な神社の宮司が語ったり、その宮司さん達と、ひろさちや、井沢元彦、松岡正剛や、儒教、道教の大家、福永光司や加地伸行といった方々とのシンポジウムをまとめたものだ。花園神社、八坂神社…

「ダライ・ラマ 科学への旅 原子の中の宇宙」

ダライ・ラマ科学への旅 (サンガ新書)作者: ダライ・ラマ,伊藤真出版社/メーカー: サンガ発売日: 2012/04/25メディア: 新書この商品を含むブログを見るケネス・タナカの「目覚める宗教」の中で紹介されていた、「ダライ・ラマ 科学への旅 原子の中の宇宙」を…

“読み納め”「目覚める宗教 アメリカに出会った仏教−現代化する仏教の今」(ケネス・タナカ:サンガ新書)

目覚める宗教(サンガ新書)作者: ケネス・タナカ出版社/メーカー: サンガ発売日: 2012/11/27メディア: 新書この商品を含むブログを見るケネス・タナカという日系三世の方のこの本が書店で目にとまった。このケネスさん、1947年生まれ、スタンフォードや東大、…

「間抜けの構造」、「悪口の技術」、(ビートたけし)

間抜けの構造 (新潮新書)作者: ビートたけし出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/10/17メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (35件) を見る 今までにビートたけしの本は数冊読んだ。「超思考」などはなかなかの内容だった。「間抜けの構造…

「花にもの思う春 ー 白洲正子の新古今集」「私の百人一首」(白洲正子:新潮文庫)

先に渡部昇一の「日本史から見た日本人 古代編」「日本語のこころ」を読んで、和歌を読み返してみたくなり、読みかけになっていた「花にもの思う春 ー 白洲正子の新古今集」「私の百人一首」を読んだ。詩心のない遍理君ではありますが、小六の時に担任のI先…

『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』(適菜収:講談社プラスアルファ新書)

ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社+α新書)作者: 適菜収出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/20メディア: 新書購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (10件) を見る ナヌッ!家人がニーチェ! 何でまた、と聞いてみると、何かの書…

戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」―二段階革命理論と憲法: 田中英道:展転社

A塾の田中先生が書かれたこの本を読んだ。OSSやフランクフルト学派のことについては、今まで塾の講義で何度か話が出て来ていた。PCで検索しても今一つ理解できていなかった。今回図書館で借りることができたので読んでみた。 今まで、昭和史のこと、まして昭…

「日本語のこころ」(渡部昇一:講談社現代新書)

渡部昇一の「日本史から見た日本人・古代編」の中でこの本の紹介があったのでAmazonで検索すると1974年初版だから38年前の出版である。絶版になっていて、当時480円だった本が中古で650円、今日再度検索したら2000円もしていた。やはり本は…

 渡部昇一の昭和史

吉田茂のTVドラマ「負けて勝つ」を見て、吉田茂のことや、昭和史を読みたくなって、積読だった「渡部昇一の昭和史ー正」を読んだ。大学受験の時に日本史をとったのだが、近・現代史、昭和史はほとんど勉強しなかった。数年前から多少、昭和史や戦後史を読ん…

「ユーモアのレッスン」(外山滋比古:中公新書)

私の読む本はどうも硬い本が多くなる。人間は柔らかいつもりだが、Unchikuを語ろうとすると、硬い本が多くなる。高校時代から、どうも小説より硬い本の方に興味が向いてしまう。とはいえ、疲れたときや、寝る前の読書には時には気楽な本も読みたくなる。 そ…

「日本の歴史 何が本当にすごいのか」(田中英道:扶桑社) A塾の田中先生の近著を読んだ。今までに学校や通常の歴史物では語られていない視点、日本の美術、文学、絵画、仏像、建築、古墳などを見る視点を織り混ぜながら、日本の歴史を述べている。我々戦後…

「人間の叡智」(文春新書:佐藤優)

佐藤優が今度はどんなことをこの本で書こうとしているのか興味があったので読んでみた。以下は本の帯、Webでの紹介文です。 ◆なぜあなたの仕事はつらく、給料は上がらないのか? TPP加盟はほんとうに悪なのか? 橋下徹氏にこの国をゆだねるべきか? こうした…

「いいかげんがいい」「がんばらない」(鎌田實)

いいかげんなHenryが、題名につられて読んだ。鎌田さんのことはテレビなどで知ってはいたが、「がんばらない」などの本も読んでいなかった。どのような経緯で医学を専攻し、諏訪中央病院の院長をされて、この病院をどのように立て直し、改革していったかにつ…

「名君の碑(保科正之の生涯)」(中村彰彦:文春文庫)

日本史に弱い小生、保科正之のことは、名前だけは知っていたのですが、いつの時代のどんな人物かほとんど知らなかった。たまたま、NHKのBS歴史館という番組で、この本の著者、中村彰彦と黒鉄ヒロシが出演し熱く保科正之を語っていた。 保科正之は江戸時代初…

「恐山 死者のいる場所」(南直哉:新潮新書)

永平寺曹洞宗の奇才といってもいい南直哉が、日本三大霊場のひとつ、青森県下北半島の恐山について書いている。南直哉が2005年に恐山の菩提寺の院代(住職代理)として入ったことは、彼の他の著作で読んでいた。その時に、この菩提寺が永平寺と同じ曹洞…

「父の像」(吉本隆明)

友人のtnkさんの勧めで読んだ。夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介などの父の像を書いている。これらの作家が直接父の像について書いているのではなく、彼等の小説の中に表現された父親の像を読み解きながら彼等の父親像を書いている。それぞれ作家ごとに父親像が…

「古文で身につくほんものの日本語」(鳥光宏:PHP新書)

古文、国語が苦手だった小生、題名に引きずられて読んでみた。難しいことが書かれているわけではない。現代人にもう少し古文を勉強して、品のいい日本語、美しい日本語を話そうと提案している。 この本の著者は国語の先生をしたことがあり、現在は塾の講師を…

「俳句的生活」(中公新書:長谷川櫂)

文学的素養のない遍理が俳句的生活を送ろうとしてこの本を読んだわけではない。以前紹介した「和の思想」(中公新書:長谷川櫂)を読んで、この人の考え方が私の心情にフィットしたので、読んだ。 この本、俳句の解説書ではないが、芭蕉、蕪村、高浜虚子、正…

「But Beautiful」(ジェフ・ダイヤー:村上春樹訳)

私は小説は苦手で村上春樹の小説はほとんど読んでいない。40歳のころ「ノルウェイの森」を勧められて読み始めたが、最初の10ページくらいで止めてしまった。村上春樹のもので読んだ本は、『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』「ジャズ・アネクドーツ」(2000…