「蘇我氏の正体」(関祐二:新潮文庫)

「藤原氏の正体」(関祐二)を読んだ後、しばらく関祐二の本は読んでいなかった。A塾のT先生から、関祐二の書いたものは、ろくなものではないと言われてから、あまり読む気がしなくなっていた。今までに関祐二のものは、10数冊読んできた。あまり古代史を…

 読初:「今、神道が動く」(片山文彦:新人物往来社)

今年の読初は先に書いたダライラマの「科学への旅」とこの本。色々な神社の宮司が語ったり、その宮司さん達と、ひろさちや、井沢元彦、松岡正剛や、儒教、道教の大家、福永光司や加地伸行といった方々とのシンポジウムをまとめたものだ。花園神社、八坂神社…

「ダライ・ラマ 科学への旅 原子の中の宇宙」

ダライ・ラマ科学への旅 (サンガ新書)作者: ダライ・ラマ,伊藤真出版社/メーカー: サンガ発売日: 2012/04/25メディア: 新書この商品を含むブログを見るケネス・タナカの「目覚める宗教」の中で紹介されていた、「ダライ・ラマ 科学への旅 原子の中の宇宙」を…

“読み納め”「目覚める宗教 アメリカに出会った仏教−現代化する仏教の今」(ケネス・タナカ:サンガ新書)

目覚める宗教(サンガ新書)作者: ケネス・タナカ出版社/メーカー: サンガ発売日: 2012/11/27メディア: 新書この商品を含むブログを見るケネス・タナカという日系三世の方のこの本が書店で目にとまった。このケネスさん、1947年生まれ、スタンフォードや東大、…

「間抜けの構造」、「悪口の技術」、(ビートたけし)

間抜けの構造 (新潮新書)作者: ビートたけし出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/10/17メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (35件) を見る 今までにビートたけしの本は数冊読んだ。「超思考」などはなかなかの内容だった。「間抜けの構造…

「花にもの思う春 ー 白洲正子の新古今集」「私の百人一首」(白洲正子:新潮文庫)

先に渡部昇一の「日本史から見た日本人 古代編」「日本語のこころ」を読んで、和歌を読み返してみたくなり、読みかけになっていた「花にもの思う春 ー 白洲正子の新古今集」「私の百人一首」を読んだ。詩心のない遍理君ではありますが、小六の時に担任のI先…

『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』(適菜収:講談社プラスアルファ新書)

ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社+α新書)作者: 適菜収出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/20メディア: 新書購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (10件) を見る ナヌッ!家人がニーチェ! 何でまた、と聞いてみると、何かの書…

戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」―二段階革命理論と憲法: 田中英道:展転社

A塾の田中先生が書かれたこの本を読んだ。OSSやフランクフルト学派のことについては、今まで塾の講義で何度か話が出て来ていた。PCで検索しても今一つ理解できていなかった。今回図書館で借りることができたので読んでみた。 今まで、昭和史のこと、まして昭…

「日本語のこころ」(渡部昇一:講談社現代新書)

渡部昇一の「日本史から見た日本人・古代編」の中でこの本の紹介があったのでAmazonで検索すると1974年初版だから38年前の出版である。絶版になっていて、当時480円だった本が中古で650円、今日再度検索したら2000円もしていた。やはり本は…

 渡部昇一の昭和史

吉田茂のTVドラマ「負けて勝つ」を見て、吉田茂のことや、昭和史を読みたくなって、積読だった「渡部昇一の昭和史ー正」を読んだ。大学受験の時に日本史をとったのだが、近・現代史、昭和史はほとんど勉強しなかった。数年前から多少、昭和史や戦後史を読ん…

「ユーモアのレッスン」(外山滋比古:中公新書)

私の読む本はどうも硬い本が多くなる。人間は柔らかいつもりだが、Unchikuを語ろうとすると、硬い本が多くなる。高校時代から、どうも小説より硬い本の方に興味が向いてしまう。とはいえ、疲れたときや、寝る前の読書には時には気楽な本も読みたくなる。 そ…

「日本の歴史 何が本当にすごいのか」(田中英道:扶桑社) A塾の田中先生の近著を読んだ。今までに学校や通常の歴史物では語られていない視点、日本の美術、文学、絵画、仏像、建築、古墳などを見る視点を織り混ぜながら、日本の歴史を述べている。我々戦後…

「人間の叡智」(文春新書:佐藤優)

佐藤優が今度はどんなことをこの本で書こうとしているのか興味があったので読んでみた。以下は本の帯、Webでの紹介文です。 ◆なぜあなたの仕事はつらく、給料は上がらないのか? TPP加盟はほんとうに悪なのか? 橋下徹氏にこの国をゆだねるべきか? こうした…

「いいかげんがいい」「がんばらない」(鎌田實)

いいかげんなHenryが、題名につられて読んだ。鎌田さんのことはテレビなどで知ってはいたが、「がんばらない」などの本も読んでいなかった。どのような経緯で医学を専攻し、諏訪中央病院の院長をされて、この病院をどのように立て直し、改革していったかにつ…

「名君の碑(保科正之の生涯)」(中村彰彦:文春文庫)

日本史に弱い小生、保科正之のことは、名前だけは知っていたのですが、いつの時代のどんな人物かほとんど知らなかった。たまたま、NHKのBS歴史館という番組で、この本の著者、中村彰彦と黒鉄ヒロシが出演し熱く保科正之を語っていた。 保科正之は江戸時代初…

「恐山 死者のいる場所」(南直哉:新潮新書)

永平寺曹洞宗の奇才といってもいい南直哉が、日本三大霊場のひとつ、青森県下北半島の恐山について書いている。南直哉が2005年に恐山の菩提寺の院代(住職代理)として入ったことは、彼の他の著作で読んでいた。その時に、この菩提寺が永平寺と同じ曹洞…

「父の像」(吉本隆明)

友人のtnkさんの勧めで読んだ。夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介などの父の像を書いている。これらの作家が直接父の像について書いているのではなく、彼等の小説の中に表現された父親の像を読み解きながら彼等の父親像を書いている。それぞれ作家ごとに父親像が…

「古文で身につくほんものの日本語」(鳥光宏:PHP新書)

古文、国語が苦手だった小生、題名に引きずられて読んでみた。難しいことが書かれているわけではない。現代人にもう少し古文を勉強して、品のいい日本語、美しい日本語を話そうと提案している。 この本の著者は国語の先生をしたことがあり、現在は塾の講師を…

「俳句的生活」(中公新書:長谷川櫂)

文学的素養のない遍理が俳句的生活を送ろうとしてこの本を読んだわけではない。以前紹介した「和の思想」(中公新書:長谷川櫂)を読んで、この人の考え方が私の心情にフィットしたので、読んだ。 この本、俳句の解説書ではないが、芭蕉、蕪村、高浜虚子、正…

「But Beautiful」(ジェフ・ダイヤー:村上春樹訳)

私は小説は苦手で村上春樹の小説はほとんど読んでいない。40歳のころ「ノルウェイの森」を勧められて読み始めたが、最初の10ページくらいで止めてしまった。村上春樹のもので読んだ本は、『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』「ジャズ・アネクドーツ」(2000…

「ふしぎなキリスト教」(橋爪大三郎+大澤 真幸:講談社新書)

最近また中東が騒がしい。そんなわけもあって、ひと月ほど前から、「コーランを知っていますか」(阿刀田高)と「イスラム教入門」を読んだ。コーランとイスラム教について少し理解できたが、現代にまでつながるイスラム教の世界はとても門外漢に簡単に理解…

「白隠 禅画の世界」(吉澤勝弘:中公新書)

たまたま近くのブックオフに不要になった本を処分しに行った。計算を待っている間に何か良いでものはないかと棚を見ていると、「白隠 禅画の世界」が目にとまった。中公新書でこんな本が出ていることを知らなかった。 白隠は以前通っていた禅画教室で先生か…

行基を読む その3 「行基と律令国家」(吉田靖雄)

A塾のT先生が「行基と律令国家」を読んでおられたので、図書館から借りて読んだ。かなり専門的で小生にはちょっと手ごわかった。 行基の出自は応神朝に百済から来朝した、王仁(わに)を祖とする高志(こし)才智を父として生まれたとある。役小角同様、こ…

“知に歴史あり”教養新書合同フェア

“知に歴史あり”と称して、岩波と中央公論、講談社が「教養新書合同フェア」を開催している。書店にそれぞれの新書が、「地に歴史あり」という帯をつけて陳列されている。フェアの小冊子が無料で置かれているので読んだ。それぞれの出版社の編集者が新書につ…

行基に関する本を読む その2 「民衆の導者 行基」(速水侑 編:吉川弘文館)、

行基という人はどういう思想の持ち主で、どういう仏教観をもっていたのかが知りたくなった。この本は、速水侑ほか行基研究の一人者数名の書いたものを速水氏が編集したものだ。行基について書かれいる、日本霊異記、続日本紀、行基年譜、行基菩薩伝などから…

行基に関する本を読む その1

A.「天平の僧 行基」(千田稔:中公新書)、B.民衆の導者 行基」(速水侑 編:吉川弘文館)、C.「行基と律令国家」(吉田靖雄:吉川弘文館)、 A塾での「役小角と行基」の講義から、行基についてもう少し勉強せねばと上記三冊を読んだ。 行基は大僧正…

「海人と天皇(日本とは何か)」(梅原猛:朝日文庫、上・中・下)、「藤原氏の正体」(関祐二:新潮文庫)

「海人と天皇」は、最近の著作かと思って読み始めたが、2002年に小学館から刊行された梅原猛著作集から文庫本として三分冊で出版されたものという。 一七条憲法の聖徳太子の時代から桓武天皇までの時代を、飛鳥浄御原令、大宝律令、養老律令、記紀、風土記な…

「方丈記私記」(堀田善衛:ちくま文庫)

家人が図書館で借りた、この本を勧められた。家人は週間ブックレビューでこの本を知ったようだ。堀田善衛は学生時代に岩波新書の『インドで考えたこと』読んだことがある。この本でインドのことを初めて理解した記憶がある。良い本だった。 「方丈記私記」は…

「池上彰の宗教がわかれば世界が見える 」(文春新書)

池上彰さんは、今年の初め、TVから引退すると言っていた。東日本大震災が起きて、こういうときにやめられないと、TVで原発問題など一般視聴者に分かりやすい解説をしていた。何度か池上番組は見ていたが、本は読んでいなかった。 会社の同期の友人Nさん…

「復興の精神」(新潮新書)

復興の精神 (新潮新書 422)作者: 養老孟司,茂木健一郎,山内昌之,南直哉,大井玄,橋本治,瀬戸内寂聴,曽野綾子,阿川弘之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/06/09メディア: 新書購入: 5人 クリック: 31回この商品を含むブログ (17件) を見る 3・11以後、こ…