調神社(つきじんじゃ):“神の使い”のいろいろ

地元、さいたま市の浦和に調神社(つきじんじゃ)というところがある。20代の頃、営業でこの神社の前の旧中山道は毎日のように車で走っていた。その頃は神社なんかにほとんど興味もなかったのでいつも素通りしていた。「神社ふしぎ探検」という本で、神社の入り口には、必ずしも狛犬だけでなくいろいろな“神の使い”が神社を守っているということを教えてもらった。

 この調神社というのは、阿吽の狛犬の代わりに狛?ウサギが守っているということで、早速行ってみた。入り口だけでなく、手水舎や池の中など、そこここにウサギがいる。

 
 インターネットで検索してみたら、以下のごとき由来があることが分かった。

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「つきのみや」で親しまれるこの神社は崇神天皇の勅創と伝えられ、浦和屈指の古社である。調神社は鳥居のないことで知られ、伊勢神宮の御調の初穂をおさめる倉庫から発展した神社といわれる。神社のある辺りは中世、大調郷と呼ばれた。「おおつき」は大きな槻を意味する。つきの宮は「月の宮」でもあった。月待信仰が盛んであった中世には、月宮殿に凝せられた。月の使い姫である兎が社殿彫刻や石像に用いられるのはこの理由による。
 江戸時代は社領7石が徳川将軍から安堵された。中山道に面していたため広く信仰を集めた。明治になり県社に列せられた。旧本殿は、境内の東側にある稲荷神社の社殿で享保18年建立された。木割りを守った美しい設計である。
 現本殿は、安政6年に建立された。総ケヤキ造である。石造兎像は、万延2年板橋宿石工兼吉作。他には、数百年の樹齢林であるケヤキの古木がある。

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「神社ふしぎ探検」の中で、狛犬、ウサギだけでなく、ネズミ、カラス、ヘビ、イノシシ、ハチなどを神の使いとしている神社もあるようだ。
 出雲大社大神神社古事記日本書紀にも語られているようにヘビを祀っていることは知っていた。昨年末、奈良の大神神社に行ったときに、手水舎がヘビの口から水が出るようになっているのが印象的だった。

 鳥居、注連縄も注意してみると面白いが、神社にはこの“神の使い”も含めて、色々な見るところが多くて、仏像は別としても、寺より見所が多いようだ。
 また、神仏習合の名残を多くとどめている“寺の中の神社”も面白い発見があると思った。
 
【“神の使い”のいろいろ】

ネズミ 大豊神社
ハト 八幡宮
ウシ 天満宮、北野神社
カラス "熊野神社諏訪神社、八坂神社 住吉神社"
ウサギ 調神社
ヘビ 出雲大社大神神社
キジ 気多神社
サル 日枝神社日吉神社
サギ 気比神社、三島神社熱田神宮
ニワトリ 伊勢神宮
カササギ 香椎神社
オオカミ 三峯神社、両神神社、釜山神社
ライチョウ 御嶽神社(浦和)
イノシシ 愛宕神社
カメ 松尾神社
シカ 春日神社厳島神社鹿島神宮
ウナギ 三島神社
キツネ 稲荷神社、諏訪神社
ハチ 二荒山神社

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大阪勤務をしていながら、カラスの住吉神社熊野神社に行ってなかったこと悔やまれる。
サルの日枝、日吉神社やハチの二荒山神社も行ってみたくなった。