理科系出身のHenryではありますが60歳になるまで、樹に花が咲くのは、桜、梅、桃、木蓮、etc.数えるほどしか知らなかった。冷静に考えれば、全ての樹木、花を咲かせて実をつけて種を作るから繁殖するのだった。
ここ数年、色々な妙齢婦人から、木々の花を教えて貰った。今まで下を見て歩いてばかり、背筋を伸ばして木々と青空を眺める人生を送ってこなかったのだろう。ユリノキ、ヤマボウシ、泰山木、ホウノキ等、比較的背丈の高い樹の花など全く知らなかった。無粋なHenryこういう木々は、ただ、初夏になると葉っぱをいっぱいつけるくらいにしか考えていなかった。
園芸種の花が花壇で、「私は花よ!見てちょうだい」と咲いてるよりも、「気がついてくれなくてもいいの」、我は我なりといった風情で高い樹の上の方で咲いている花にむしろ風情を感じる。
というわけで、今日は我がマンションの棟と棟の間に植えられている泰山木の花を撮影した。
タイサンボクは北アメリカ原産のモクレンで、日本へは130年ほど前に導入されたそうだ。日本の気候にうまくマッチしたのか各地で大木になり、ちょうど梅雨時分に白い大きな花を咲かせ、和歌や俳句にもうたわれるなど人々にたいへん親しまれているとのこと。
ゆふぐれの泰山木の白花はわれのなげきをおほふがごとし 斎藤茂吉
なるほど、われのなげきか! はて? Henryの嘆きや如何?