以前読んだ「超芸術トマソン」をご紹介します。トマソンって何だ。私は知らなかった。野球好きの方ならご記憶があるかと思いますが、1982年ジャイアンツ(読売)の4番バッターの座にいたトマソン選手のことのようです。わたしは、野球はそれほど観ないが、かってはジャイアンツファンでした。長島は好きですが、長島が監督をやるようになってから、なぜかアンチジャイアンツになりました。それからは優勝するチームが好きななる。野球ファンにいわせれば不謹慎で節操がないということになろうか。Henryの屁理屈では、元気の良いチーム(組織)、素晴らしい選手、監督のいるチームのプレーを観ることがストレス解消になり、観ていて気持ちが良い。そんなわけで、大阪に転勤した84年の阪神、古葉の広島、野村のヤクルト、星野の阪神など、節操なく浮気をしてきた。ということで、野球を語る資格はない。
話を本題に戻そう。 このトマソン、打席でビュンビュンと空振りを続けて、いつまでもいつまでも三振を積み重ねる。扇風機とあだ名を付けられたそうな。「そこにはちゃんとしたボディーがありながら、世の中に役に立つという機能がない、それをジャイアンツではテイネイに金をかけて保存していた。」という。
世の中には、役に立たないけど、人を感動させる、はっとさせる、“無用の用”のある、“超芸術”がある。それも街中の何気ないところにひっそりとある。そういうものを赤瀬川さんは「超芸術“トマソン”」と命名したわけです。
この「超芸術:トマソン」は“トマソン物件”の写真を掲載しており、赤瀬川さんの洒脱な解説が写真に味を添えて、更に楽しませてくれる。
以前、この本を読む前に「老人とカメラ」という本が目にとまり、面白そうな本だなと思ったのがきっかけで、この“超芸術の世界”を知った。赤瀬川さん、ライカのカメラを持って全国を歩き、トマソン物件を探している。ただカメラをもって散歩しているだけでなく、“路上観察学会”を40数年前に立ち上げ、路上観察海外視察をやったり、路上観察学?なる学問?にまで拡げている。非凡な人というものは、凡人には想像もつかないことをやるものだと感心する。
この「老人とカメラ」に触発されて、Henryくんもライカならぬデジカメをもって“トマソン物件”を探しながら散歩をしているというわけです。散歩の量が圧倒的に少ないこともあるが、この“トマソン物件”探そうとしてもなかなか見つからない。トマソンにならずとも、月島の「江東区の公衆便所」や「警視庁、現役最古の交番」などという“気を引く風景”もなかなか見つからないもんだ。たまに、そういう物件に遭遇すると、新しい発見、感動があって楽しい。これも、筑紫哲也さんの言うところの“道草”の楽しみかと思う。
たいしたものではないが、月島の「カヌー型モップ収納庫」の画像を添付しました。懐かしい赤いポストと隣り合わせというのも味がある。
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