「現代免疫物語」(岸本忠三/中嶋彰:講談社ブルーバックス)

 最近しばらく免疫関係の本を読んでいなかったので、免疫学の現在がどこまで発展しているのか読んでみた。多田富雄さんの背中を借りてアトピー性皮膚炎の原因となるレアギン(IgE:免疫グロブリンE)という抗体を発見した、日本の免疫学のパイオニアの石坂教授(夫妻)話他。花粉症、アレルギー、喘息、結核などの話。T細胞、骨髄移植、胸腺、サイトカイン、インターロイキンなどの話を物語風に語っていて素人にもわかりやすく読ませてくれた。後半1/3ほどは、専門に過ぎて、素人にはいささか難しいというか面白くなくなっていた。しかし全体的には免疫学の発展の推移、最先端の免疫というシステムをかなり分かりやすく書いてくれていると思う。