メタセコイア

 昨日TBSラジオで永六輔メタセコイアというのは「昭和杉」といって、日本には昭和になって植えられたという。わがマンションにもメタセコイアが何本か植えられている。このマンションを購入した時には樹木にも関心がなく、そんな木が植えられていることも知らなかった。このメタセコイア、あちこちの転勤の後、20年ぶりに戻ってみると、大木に育っていた。まっすぐに伸び、樹木全体の形が三角錐状で清々しい感じが好きだ。
 メタセコイアは和名を曙杉と言うようですが、私が調べた限りでは“昭和杉”という説明はなかった。昭和天皇が愛した木ということで、「昭和杉」とも言うようになったのであろうか?
 アメリカにある巨木、セコイアに似て、化石として発見されていた。 300万年前:新生代第三期ころまでにに繁茂し既に絶滅した化石木として知られていたが、日本国内などで発見された化石を分析してセコイアなどの類似種との区分を明確にし「メタセコイア」と命名したのは京都大学の三木茂という方。 ところがこの木が中国に現存していることが、終戦前後に発見されたので、「生きている」というより「生きていた」化石として有名になった経緯があるそうだ。
 LA駐在の折、家族でカリフォルニアヨセミテ国立公園に行く途中のセコイア国立公園でセコイアの大木を見た。このときはただ、大きく高い木だな、さすがアメリカ、なんでもスケールが違うなというくらいの関心しかなかった。
 日本に戻ってから、メタセコイアとセコイア、同じ木だと思っていたが、なぜ名前が違うのかまで思いが至らなかった。そう言えば、日本に帰国したあと神戸に2年ほど住んでいた折、神戸市立森林植物園にセコイアオスギという木の巨大な幹の断面の標本が展示されていたことを思い出した。こちらはメタがついていない。メタ(meta)というのは、○○が変化したという意味の接頭語だ。
 インターネットを調べてみると、セコイアは常緑樹、メタセコイアはご存じの如く、紅葉し、冬には落葉し、姿のいい枯れた大木になる。
 日本には昭和になって中国から苗木が持ち込まれ、初めは小石川植物園と、葛飾区の水元公園に植えられたそうだ。化石が生き返ったわけだ。今年の春先、水元公園に行った。まだ、葉が出ておらず枯れたままのメタセコイアの並木が別の味わいがあってきれいだった。
 永六輔の「昭和杉」から色々なことがわかった。インターネットで、セコイアを検索すると、セコイア国立公園の大木の画像を見ながら色々なことを教えてくれる。また行ってみたくなった。セコイア国立公園の樹木の画像は以下のURLでお楽しみください。
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~hama-fuj/sequoia.htm
 写真右上は水元公園メタセコイア並木。2番目の画像はわがマンションのシンボルツリー、メタセコイアの画像です。