お月見

 25日に中秋の名月ということで、家人がススキと吾亦紅を買ってきて花瓶に飾った。一杯飲んだ後、ベランダから“月見”をするつもりでいたのだが、酔ったのか、テレビを見ていたのか、月見をしそこなった。Henryの風流心はしょせんその程度だ。
 今年の中秋の名月は9月25日。中秋の名月とは旧暦8月15日のことで、今年は9月25日がそれにあたるとのこと。しかし今年の場合、満月は9月27日ですから、今年の中秋の名月は満月の2日前ということのようだ。
 恥ずかしながら、この歳まで、中秋の名月はてっきり満月かと思い込んでいた。今日一日遅れの“満月”を見た。つまり十六夜(いざよい)の月と見たわけだ。陰暦の十六日の月のことだが、十六夜の月は、十五夜の月よりも50分ほどおそくのぼってくるという。いざよい(いざよい=ためらい)ながらのぼってくるように見えるので、「じゅうろく」と書いて「いざよい」と名付けられたそうだ。
 相変わらず、知らなかったことが多い。

 松岡正剛の「ルナティクス」を途中まで読んだ。ルナティック(lunatic)という言葉には「月球的」という意味とともに「狂気的だ」という意味もある。松岡の「月」の取り上げ方も凡人からみるとかなり“狂気的”である。
 英語のmoonはラテン語のmensisから派生し、古英語のmonaを経てmooneとなり、シェイクスピアの時代にmoonに定着したという。そのmensisから英語のmensesが出ているのだ。
 そんな、こんなとという、月にまつわる色々な話を取り上げ、松岡流の分析、料理をしているのが面白い。久しぶりに、まじめに月を眺めて、あらためて、“月”を読んでみようと思った。