仙ガイ展:出光美術館

 油絵をやっている姉からの誘いで、昨日、丸の内の出光美術館に、「仙ガイ展」を観に行った。仙ガイの名前とその禅画は、なにかの本の中で紹介されていたのを読んだ記憶があるが、誰のなんという本だか思い出せない。でも、画を見てみたいとは思っていた。
 たまたま姉から、仙ガイ展に行ってみないかという話があったので、家人を連れて見に行った。
 初めて仙ガイの作品を目の前にした。どの作品も味わいがある。かつ、禅画に添えられた詞が、一般的な禅画に添えられる禅語のように、堅苦しく格好をつけていないところが親近感があり、独特な画法と相俟って、より深みを感じる。
 私も禅画(達磨絵)を習い始めて1年と数か月たった。まだまだ、まともな達磨絵が書けるようになるには程遠いが、禅画の筆使いの難しさが、やっと最近分かるようになってきた。仙ガイの禅画は大胆、奔放で、丁寧に描いているようには見えない。筆数もかなり少ない。「わたしも、達磨絵よりも手間がかからないから、仙ガイのような画を描こうかな」と言ったら、家人と、かって水墨画もやっていた姉から、「仙ガイさんだって最初はきちんとした細かい禅画を描いて修行したのに、あんたが、いきなり仙ガイさんのような画が描けるわけないでしょ!」とやられてしまった。
 たしかに、仙ガイのような画は、一朝一夕に描けるものでないことは、少し禅画や水墨画をやったことのある人なら分かるだろう。
 でも、真似して描いてみたくなる禅画でした。
 この出光美術館、名前は以前から知っており、出光佐三のコレクションが展示されていることは知っていた。しかし、この美術館のスタートが、仙ガイの「指月布袋画賛」から始まったとは知らなかった。また、この画、“指月”とあるが、月が描かれていないところに深い意味があると言う。あなたなら、どう考えるか、それが問題だ!
(左の詞は「を月様 幾ツ 十三七ツ」と書いてあります。) 
 この出光美術館、帝国劇場の隣の9階にある。9階の休憩フロアはお茶をサービスしてくれて、目の前に皇居とその奥の都心の高層ビル群が一望できる。芸術に接したあと、お茶を飲みながら、わずかに紅葉し始めた皇居の庭園を眺めるのは気持ちが良かった。

<蛇足>「仙ガイ」の「ガイ」は「がんだれ」の中に「土」を二つ書くのだが、このhatenaのブログでは、この漢字がサポートされていないので、カタカナ表示とさせていただきました。
 
 この仙ガイ展、明日の28日が最終日です。