「植物の生存戦略」(植物の軸と情報特定領域研究班編)

 行きつけの図書館で上記の本を見つけた。植物学者さんというのも、長年にわたり、ひとつの植物を、根気よく研究するものだと、感心させられた。植物の細胞は、動物に比べるとかなり大きい。しかし、遺伝子の数は人間の約3万に対し、遺伝子数が少なくて、研究向きとされるイネ科のシロイズナズナという植物でも26,000個と大して変わらない。
 植物は移動できないが故に、動物、人間にはない独特の進化をしてきた。草花、樹木の多様性や生命の長さにも驚く。
 花を咲かせる仕組みや、花を咲かせるフロリゲンという物質の発見の話。根は重力を感じている。マメ科植物の根粒菌は、空中窒素の固定作用をして、アンモニアイオンを植物に与え、植物は根粒菌光合成の産物を与えている。また、根の中の、アーバスキュラー菌根菌というものは、宿主特異性がない菌で、4億年以上前から、植物に必要なリン酸を与えているという。宿主特異性がないということで、自然界の地下コミュニケーションがあるかもしれないという。
 ひとつひとつの話、研究成果など、植物に関する知らなかった色々なことを教えてくれた。
 セイタカアワダチソウとススキが共生するようになったのも、そんな地下のコミュニケーションで、「アメリカ育ちのセイタカさんよ!、出しゃばりすぎないで、もう少しススキ君となかよくやってくれよ」という、菌根菌さんの知恵なのかもしれないと思った。
 2005年6月30日の私のブログにも書きました、樹木や竹の驚くべき構造など、改めて、「生物の超技術」に驚くと共に、Something Greatに頭を垂れる次第です。
◆<蛇足>
 私のブログで、日記の検索という窓に「生物の超技術」と入れて検索すると、この文字を入れて書いているブログを表示してくれます。
 私のブログも4年目になりましたので、このUnchikuは以前書いたかどうかを確認するためにも、時々この検索機能を使って確かめています。最近は同じ本を2冊買ってしまうことはなくなりましたが、また、henry同じことを書いているよと思われないようにと注意しています。