筆記具雑考 その後

 妙齢の天使が突然ペリカンの万年筆を買いに行きたいという。ナヌッ!文房具オタク、Henryをさしおいてペリカンを買いに行くとは聞き捨てならぬ。カッカリーヌ妙齢も誘ってペリカンジュニアを買いに行った。この万年筆、ペリカンが子ども向けに作って売り出しているもの。1年以上前から買うべきか、買わざるべきか迷っていた。値段は1,570円、ためらう価格ではないのだが、すでに10数本の万年筆を持っており、ペリカンのオーソドックスなものもある。万年筆を買い集めるというマニアではない。しかし、買って使ってみたいとは思っていた。カラーがオシャレで子ども向けではあるが、太字で書き味は素晴らしい。妙齢が買うのに、オタクのHenryが持ってないとは、文房具オタクを名乗れない。というわけで、小生もイエローを購入した。

 このペリカンジュニア、現地で買えば、せいぜい500円位のものだろう。プラチナが210円でpreppyという、スペア式の万年筆を出している。スケルトンタイプでインクの色でキャップが異なる。この手の万年筆としてはデザインもいい。軸径も手になじんで、書き味も良い。手帳に書くにはペリカンでは太すぎる。このpreppy、線径が0.3mmなので細かい字を書くには手頃だ。
 文房具売り場は良く回るのだが、しばらくこれといった新製品がなかった。画像に書いたように、KURU TOGAというシャープペンシルが目にとまった。書いている内にシャープの芯を円錐型に削ってくれるという。“くるくる尖る”からのネーミングだ。原理は良くわからないが、素晴らしいアイディアだ。0.3mmと0.5mmの2本を買った。使ってみたが、円錐形に削ってくれているという実感はあまりなかった。最近はシャープを長時間使うことがほとんどない。使い込めば違いを実感できるのかもしれない。
 もう一つ、JET STREAM というなめらかボールペンを出した三菱鉛筆が、赤・黒・シャープと赤・黒・青の3機能のものを出した。軸径もそれほど太くなく気に入っている。線径も0.7と1.0の2種類を出している。欲を言えば、グリーンのリフィルを出して欲しいと思っている。
 いつもながら、日本の文具メーカーさん、100円〜1,000円の価格範囲の中で、熾烈な新製品開発競争、価格競争を展開している。
我ら文房具ファンには、安い値段で良いものを作ってくれるのは有り難い。欲を言えば、モンブランペリカン、クロス、LAMYというような、これぞ日本の筆記具の伝統デザイン=ブランドを世界にアピールできるものを作って欲しいと思う。