伊勢詣り:東海道歩き

 前回の保土ヶ谷→辻堂のコースは欠席した。今回は辻堂から二宮までの約32,000歩、20km。参加者は16名。50代の2人を除くと、あとは60代、70代の方々。皆さん元気だ。ふだん歩きこんでいないのと、昨日の3時間の卓球がこたえているのか後半の3km程は足にまめができちょっとしんどかった。今回は富士山を眺めながら歩けるかと思ったが、雲が出ていて見ることは出来なかった。しかし、気温も湿度も高くなく、秋のゆるい日差しの中、海岸に近い松並木を歩くのは気持ちがよかった。
大磯では吉田茂邸があったが、中には入れず、吉田茂の銅像も柵越えで見るだけだった。相模湾を見下ろす所に立っている。(私の画像は柵越えではっきり写せなかったのでWebからコピペしました。)この銅像は、普段は中に入って見ることが出来るのだが、生憎と月曜日はクローズ。この銅像。目の前には大礒の海岸からはじまる太平洋。吉田茂はその先のサンフランシスコ(平和条約締結の地)を見ている。
  この旧吉田邸、最近までは西武鉄道が所有していたようだが、一万坪の敷地の周りは手入れが充分にされていなかった。麻生さんが整備すればいいのにと仲間の一人が言った。現在は神奈川県の所有で、県の公園になっているとのこと。色々な由緒と歴史がある屋敷だったようだ。大磯海岸に出て海を見ながらのしばしの休憩。
  大磯の街道沿いに鴫立庵というところがあった。何かなとと覗いて見ると、この地は鴫立澤というところで、西行の「心なき 身にもあわれは知られけり 鴫立澤の秋の夕暮れ」という名歌をこの地で残したのだという。時は流れて、寛文4年(1664)小田原の医師外郎の子孫崇雪と言う人が、西行ゆかりの地、鴫立澤に石造りの五智如来像を置き草庵を結んだ。崇雪は、庭内に「鴫立澤」の標石を残し、その裏面には「著盡湘南清絶地」と刻まれています。
※中国の湖南省洞庭湖のほとり湘江の南側の景勝地を瀟湘湖南と言います。
「湘南」という名前はこれが起源だということを知りました。仲間の一人が近くの菓子屋で西行まんじゅうを皆に配ってくれた。まんじゅうをほおばりながら、しばし西行に思いをはせる。
  終着点二宮駅周辺には銭湯がない。あらかじめ幹事役が調べてあった平塚駅前の銭湯「平塚温泉」に電車で二駅戻って、入った。靴下を脱いだらマメができていた。平塚駅前で恒例の反省会、32,000歩と銭湯の後の一気に飲むビールは格別にうまかった。仲間の多くが言っていた。“これを楽しみに歩いているのだ!”私は、“歩き行”のつもりで行を楽しんでいる。
 次回は二宮から湯本。12月はいよいよ湯本から箱根に向かう。だんだん修業も厳しくなるが楽しみでもある。