里の秋

 街中や我がマンションの中の木々も色づいてきて冬が近いことを知らせてくれる。そういえば、今日はもう立冬なのだ。退職すると1年の経つのが年々早く感じる。
 いつも行く図書館の近くの公園にツワブキが咲いている。もうこれから咲く花はほとんどなくなるのでさみしくなるが、木々がそれぞれの実をつけて、楽しませてくれる。ヒメイチゴノキというのが可愛い花と、綺麗な実をつけていた。花と異なり、木の実はよく見ないと気が付かないことが多い。
“はなをのみ待つらむ人・・・”ではないが、木々の実もよく見ると綺麗で不思議で、花を愛でるのとはまた別の味わいがある。植物の生命(いのち)がそれぞれの知恵で子孫を残していく姿に感動する。
 何かと気ぜわしい世の中、こういうそぞろ歩きをして、植物の“いのち”を観て、楽しめることは幸せなことだ。