私のすすめる岩波新書

 岩波書店が新書創刊70年を記念して、各界で活躍している218名に「私のすすめる岩波新書」1〜3冊を書いてもらった。それを「図書」の臨時創刊2008で発表している。近所の紀伊國屋ジュンク堂にはこの冊子がなかった。読書好きに評判なのか、無料なので書店に置かれてもすぐになくなってしまうのだろう。たまたま行った、浦和美園イオンの中の旭屋に置いてあった。
 岩波新書は1938年11月に『奉天30年』『支那思想と日本』(津田左右吉)『万葉秀歌』『雪』等、20冊が創刊時に刊行されている。
 私が初めて岩波新書を読んだのは高校2年か3年の頃。後に医者になった文学好きの友人K君が勧めた、島崎敏樹の『心の風物詩』だったように思う。『図書』で紹介された書名を調べたら、取り上げられている本は約380冊あった。多くの方があげていたものは、『日本の思想』(丸山真男)『歴史とは何か』(E・H・カー)『零の発見』『生命とはなにか』(シュレディンガー)等を多くの人が推薦していた。380冊をチェックしたら、私が読んだものは50冊あまりだった。それぞれの方の推薦の弁を読むと、私もその本を読んだ頃の思い出が蘇ってくる。内容まで覚えているものは少ないが、それぞれの年代で読んできたことがUnchiku Henryを今日まで育ててくれたことは確かだ。
 『インドで考えたこと』『社会科学とは何か』『新唐詩選』『哲学入門』(三木清)、『日本の仏教』『日本語の起源』『日本語の歴史』『平家物語』『日本人の英語』『歌仙の楽しみ』『人間回復の経済学』『数学入門』『ジャズと生きる』(穐吉敏子)など、印象に残るものが多い。
 今までに再読したものは少ないが、わたしにとっての岩波新書といえば、鈴木大拙の『禅と日本文化』、『心の風物詩』、『数学入門』あたりだろうか。
 名著でまだ読んでいないもの、題名から敬遠していた『バナナと日本人』や『イスラーム哲学の原像』『翻訳後成立事情』『生きる意味』を読んでみたいと思うと共に、家にある古い新書の何冊かを読み直してみたいと思う。
 岩波書店のHPから勧める新書の一部が書評付きで紹介されています。URLは以下の通りです。岩波に勤めて、本の好きだった、今は亡き実兄に代わって宣伝させていただきました。
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/sin_fair2008/index.html