大宮氷川神社:十日市(大湯祭)

23歳の時から、関西転勤、LA駐在の時期を除いて、大宮で仕事をし、住んできた。大湯祭が賑やかで大きな祭りであることは知っていたが、歩けないほどの人混みというのが嫌いで、今までに行ったことがなかった。300年の歴史を持つ、神事「大湯祭」にあわせて行われる伝統の酉の市で、毎年12月10日に行われるため「十日市(とうかまち)」といわれているそうだ。   
 Cocoonから歩き、旧中山道の大鳥居をくぐり本殿の方に向かって参道を歩く。大木の欅並木の参道が2kmほど続く。二の鳥居に近づくと屋台がたくさん出ている。更に奥に進むと、大小いろいろな熊手がわんさと陳列されている。ほとんどの店の熊手に値段は付いていない。一番小さいものでも3,000円ほど。一番大きいものは100万円するものもあるらしい。地元の企業が買ったものが売約済みと社名が書かれている。宣伝費と考えれば安いものかもしれない。
 縁起を担いで、数十万のものを買っても、来年はもっと大きな熊手を買おうと頑張って、1年間商売繁盛して儲けがたくさん上がれば商人とすればありがたいことなのだろう。こういう縁起物は値切って買ってはいけないとかいう。また、去年買ったものは奉納(返納?)して燃やすようだ。このエコの時代に“モッタイナイ”気もするのだが、そんなけちなことを言っちゃー、それこそ御利益にあずかれねぇーよ!と言われそうだ。
 大勢の人が熊手、福神札、福財布等を買って、拝殿にお参りしお賽銭を入れてお祈りしていく。お参りしている人に貴方の宗教は神道ですかと聞いても、「いえ違います」というのではないだろうか。かといって、無宗教、無信仰でもあるまい。彼らの多くはクリスマスプレゼントを子供に与え、クリスマスケーキも食べるのだろう。そして不幸にして亡くなれば、多くの人は仏式で葬式をするのではないか。まさに、八百万教健在なりといったところだ。
  何万人の参拝客、見物客が来るのか、昼間から相当な人出。夜になったらもっと賑やかになるようだ。
 こういうところは子供が小さいときに連れてこなくてはいけないと思った。若い頃は子供と一緒にこういう所に来る余裕がなかったのだろう。時既に遅しだが、こういう祭りを通じて、子供達に日本の文化、歴史を学ばせるべきであったと反省する。せめて、孫が帰国したら連れて行きたいと思った。