ジェロさん:レコード大賞、最優秀新人賞

 最近は、レコード大賞などにもあまり関心が向かなくなった。しかし、ジェロがどんな賞をとるかに興味はあった。ほとんどの若い歌手は名前も知らないし、曲も初めて聞くものも多い。大賞をとったEXILE(エグザイル)とかもほとんど知らない。
 ジェロは最優秀新人賞を取って、涙をにじませながら歌っていた。若い歌手が受賞して泣く場面は何度も見てきたが、ジェロの涙はそれらとは違って見えた。最近の日本人が忘れている涙のように見えた。
 亡くなったおばあちゃんを思い、母親を思い、応援してくれた人たちに感謝しての涙のように思えた。
 ジェロを見ていると、先日読んだ、『やわらかな遺伝子』ではないが、“生まれか育ちか”を考えてしまう。ジェロには色濃く日本人の遺伝子が入っているのは確かだが、現代の若い日本人がなくしてしまった、長幼の序を重んじる心と、美しい日本語を話すジェロの品性は、“育ち”によるところが大きいと思う。
 この一曲で終わらずに、いい演歌を歌い続けてもらいたいものだ。