「たけしの教科書にのらない日本人の謎」

 正月のTVも毎度のことながらまともな番組が少ない。たまたまスイッチをいれたら、「たけしの教科書にのらない日本人の謎」というのをやっていた。初詣というのが始まったのは明治時代からであるとか、手水舎での作法や、鈴を鳴らすなどは神社参拝の簡略化であるなど、初めて知ることが多かった。
 神道関係の本も数冊読んで知っていることも多かったが、八幡神社、稲荷神社、陰陽道、ひな祭りのことなど、映像で現代人にも分かるようにコント風にもアレンジして説明していてわかりやすかった。
 民放でもいい番組を作るようになったものだと感心した。年末の、正月行事の意味を説明する番組もよかった。こういう番組をもっと作ってもらいたいし、若い人たちに見てもらいたいと思った。
 番組最後に、たけしが初めて伊勢神宮をお参りした映像を映していた。私が家内の両親と一緒に、家族で20数年前に行った時のことを思い出した。
 たけしが最後にいいことを言っていた。
伊勢神宮に行ったら、商売繁盛や家内安全etc.など、こざかしいことを神様にお願いするなんて気持ちではなく、大きな宇宙の中の人間として、“神の気配”といった様なものを感じる。最近の世の中、変なことも多いが、“日本人もこういう知的なことに目覚めてきた。」と語ったのが印象的だった。
 伊勢神宮を参詣したたけしの目の表情から、たけしの鋭い感性が、アンドレ・マルローが捉えたものと同じような“神の気配”を感じたのではないかと思った。