「ウィルスと感染のしくみ」、「ウィルスってなんだろう」(岡田吉美:岩波ジュニア新書)

 新型インフルエンザが拡大を続けている。シニアには感染しにくい?と言われているが、糖尿病キャリアとしてはちょっと心配である。ウィルスについては多少のことは知っているが、この機に図書館で上記の本2冊を借りて読んだ。「ウィルスと感染のしくみ」は“入門ビジュアルサイエンスシリーズ”なので、画像が多くわかりやすい。「ウィルスってなんだろう」はジュニア新書だが、どうしてどうして、大人が読んでも難しい。しかし、ウィルスのなんたるかを丁寧に教えてくれる。
 ウィルスは生物と無生物の中間にあって、人類の生まれる前、生命の誕生からそう遠くない時代に発生したのだろう。この本を読んで、ウィルスというものは、細菌と異なり、人間に何の益も与えていないが、ウィルスの発見によって、動物、植物、人類のいろいろな病気の原因が分かるようになった。また、ウィルスの研究が進み、病気の予防、ワクチンの製造、遺伝子の暗号の解明などに発展してきたことを知った。
 一説には、人間による森林の破壊、環境の破壊がウィルスを人間界に押し出したともいう。ウィルスは純然たる生命体ではないが、生物に寄生して生き延びようとしている。ウィルスにのさばられては困るが、ウィルスを含めて、自然、地球というものを見つめ直す必要があるのではないかと思った。