UU一献

 会社の仲間と北浦和の「梨の実」で再会し一献傾けた。昔一緒に仕事をした仲間だが、仕事の話はほとんどしない。Miyaさんの最近の鳥の写真を見せてもらったり、Ryuさんの韓国土産や韓国の達磨絵のはなし、Miyaさんのバードの弟子?Moriさんの娘の話。などなど、あちこちと話がはずんだ。最近描いた私の達磨絵を持っていき、皆さんと店のご主人に好きな画を差し上げた。
 鳥の写真も、撮ろう撮ろうと思うとなかなか視界に入ってこない、入ってきてもタイミングを逃してしまうという。花や虫、自然の景色も、いい写真を撮ろうとするとなかなか撮れないものだ。私はBirdはやっていないが、Miyaさんの勧めで、最近は公園に行くときに双眼鏡を持っていく。しかし、うまいこと眺められたことがない。
 Miyaさんはだいぶ修行を続けているのでいい写真が撮れるのだろう。 Ryuさんから「Moriさんはまだ修行が足りない、その達磨絵に書かれている偈の『心無心』の心境で待たなくちゃ!」などと、Henryの蘊蓄を横取りしてのたまう。

 このRyuさん、私と同じ姓で二人とも元料亭の息子ということで、冗談半分に昔から義兄弟の杯を交わしたことにしている。この日、処分しようとしていた「浮かれ三亀松」(吉川潮新潮文庫)をRyuさんにあげた。この本、新内の柳家三亀松の伝記なのだが、金五郎、伴淳、アチャコ江利チエミとその親父、落語家、吉本興業の創業期など、一時代前の芸人がたくさん出てきて。三亀松とのからみがすこぶる面白い。そんな話をしてこの本を紹介したら、梅田の料亭だったRyuさんの実家は、吉本興業のおかみに、かなりのサポートをした話や、藤山寛美や多くの芸人が来て、彼らの書いた色紙がたくさんあるという。
 三亀松もこのRyuさんの料亭に行っているかもしれない。Ryuさんのお袋はまだご健在という。Ryuさんが三亀松や吉本の話を、読んで聞かせて差し上げれば喜ばれるだろうと思う。
 東京に出かけていた、生ビールの好きな家人が途中から合流、さっそく既に赤い顔をしているHenryの飲み過ぎをたしなめられた。これも我Tounyoキャリアを心配しての看護婦の弁、有り難きブレーキであります。
 ともあれ、「梨の実」さんの新しいコースターの如く、商談はなかったが、わいわいと楽しい、綺談、珍談、歓談美談でありました。