「日本人の知らない日本語」

 妙齢友人が貸してくれた。少し前にテレビで紹介されていて面白そうな本なので読んでみようと思っていたところだった。
 日本語学校に集まるマジメな外国人生徒たち。そんな彼らの、外国人ならではの日本語の使い方やギモンの数々を、日本語学校の先生が漫画で紹介する。私の知らない日本語の使い方など教えてくれ勉強になった。先生と外国人学生がくりひろげる笑える日本語バトルも気楽に読める。
 ちょうど一時帰国している帰国子女同士の次男夫婦と2歳4ヶ月になる孫娘の日本語学習にぴったりだ。土産に持たせようと書店に行ったら2軒とも売り切れだったので、注文した。
 「シカト」(する)=鹿十(する)=無視する、の由来が、花札の紅葉と鹿の10点札から来ているという。なるほどこの花札の絵、鹿が横(そっぽ)を向いて何かを無視している。「ピカイチ」も花札用語とは知らなかった。ご存知の「桜」「松」「霧」「薄(月」の絵のきれいな20点札のことを「光り物」という。ピカイチは花合わせの手役の一つで、手札7枚の内、光り物が一枚、残りすべてが素札(かす札)の場合を言う。
 中学、高校時代、二人の兄や、友人達と受験勉強?の合間によく花札をやった。下宿先のおばさんが、花札をやっているとは知らずに「遅くまで勉強たいへんね」と言われるのには恐れ入った。
 「ボンクラ」というのもギャンブル用語、賭場(盆)にうとい(暗い)人のことだという。
こういう言葉だけでなく、冷める(さめる)と冷える(ひえる)の違い、便器の数え方は「一据え」、カレーライスの船のような器は「グレイビーボート」、「鳩、蚊、鴉、猫」の漢字は鳴き声をもとに作られている。などなど、教えられるところ多々ありました。