シルバーカードに思う

 さいたま市から介護保険被保険者証とシルバーカードが送られてきた。孫も出来て、息子達からは加齢臭だ、頑固親父だと言われても、本人は素直なまだまだ若い親父だと思っているのだが、かみさんからも最近とみに頑固で言動もおかしい、脳のMRI検査を受けてきた方がいいなどと言われている。
 そんな時に、シルバーカードが送られてきた。なるほど、介護保険を払ってきているのだから、なにかあれば要支援、要介護認定の申請が出来るのかと納得した。もうすぐジパング倶楽部にもはいれ、公園や美術館が安く入れると単純に喜んでいた。市からこういう書類がきて、あらためて、そうか!Henryも公には“老人”に区分されるようになってしまったのだという事実に一抹の寂しさを感じた。
 あらためて、サミュエル・ウルマンの詩を思い出した。
■『青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。
 若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、安・易(やすき)に就こうとする自らを戒め、冒険する心を忘れてはならない。
 人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。
 歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。
 悩みや疑い・不安や恐怖・失望、これらのものこそ若さを消滅させ、雲ひとつない空のような心をだいなしにしてしまう元凶である。
 六十歳になろうと十六歳であろうと人間は、驚きへの憧憬・夜空に輝く星座の煌きにも似た事象や思想に対する敬愛・何かに挑戦する心・子供のような探究心・人生の喜びとそれに対する興味を変わらず胸に抱くことができる。
 人間は信念とともに若くあり、疑念とともに老いる。自信とともに若くあり、恐怖とともに老いる。
 希望ある限り人間は若く、失望とともに老いるのである。
 自然や神仏や他者から、美しさや喜び・勇気や力などを感じ取ることができる限り、その人は若いのだ。
 感性を失い、心が皮肉に被われ、嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いるのである。
 そのような人は神様のあわれみを乞うしかない。』(サミュエル・ウルマン「青春」)

 Henry君も、この精神に従い、信念を持って、自然や神仏や他社から、美しさ、かたじけなさ、喜びを感じ取る感性を失わずに、前期高齢者から後期高齢者に年を重ねていこうと思う。