<お伊勢詣り その4>外宮参拝

 伊勢神宮は始めに外宮を参拝するのが慣わし。外宮は豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀っている。
雄略天皇22年、天皇の夢に天照大御神(内宮祭神)が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せるように」と神託したので、同年7月7日、内宮に近い山田の地に豊受大御神を迎えて祀ったのに始まる。
 天照大御神の食事(大御饌=おおみけ)の守護神で我々の生活を支える一切の産業の神様という。
 天照大御神の食事を司る神が、なぜこれほどまでに祀られているのかが素朴な疑問だ。記紀神話にはたくさんの神々が出てくるが、この豊受大御神はそれほど有名ではない。
 アマテラスが色々な経緯、いきさつから太陽神の天照大御神が皇祖神として伊勢に祀られたことは理解できる。しかし、豊受大御神は、一般人には、なぜ、どうして、内宮ができた後、500年も経ってから、丹波の国から連れてこられ、外宮として祀られたのか。神宮のパンフレットには書かれていない。
 古代史関連の本を読み直すと、豊受大御神卑弥呼の後継者台与(とよ)ではないかという推論もある。『読み替えられた日本神話』 (講談社現代新書: 斎藤 英喜)や『中世神話』(岩波新書山本ひろ子)などを読むと、度会氏の伊勢神道の中で豊受大御神がどのように解釈されてきたかが分かり興味深い。
 あとで書こうと思っている天照大御神とあわせて、多くの歴史家が色々な解釈をしている。素人の私は、古代史関連は読めば読むほどこんがらかってくるが、面白い。
 しかし、ここは細かい詮索をやめて、1300年続いている日本の聖地、伊勢神宮のおごそかな空気の中に浸った。