お伊勢詣り その5:内宮参拝 5月15日


 外宮を出て、別宮の月夜見宮つきよみのみや)を参拝、急ぎ今日の宿「麻吉旅館」に行って、全員略礼服に着替える。この日は内宮で御垣内参拝と御神楽奉奏をして、鷹司大宮司に面会するということで、全員礼服、ネクタイ着用、黒靴でということになった。あらかじめ宅急便で旅館に届けておいた。
 人生六十余年生きてきたが、神社に礼服を着ていったのは、孫娘のお宮参りと今回だけだ。全員着替えてネクタイをピシッと結ぶと気持ちがキリリとしてきた。
 内宮に着くと地元の環境協会の人が案内をしてくれた。20年毎に架け替えられるという五十鈴川に架かる宇治橋を渡り内宮に入る。架け替えられて間もない檜のこの橋と、神路山、島路山の緑、五十鈴川の流れがさわやかな感動を与えてくれる。大宮司の秘書官が御垣内参拝の説明をしてくれた。
 御垣内は四重の垣で囲まれており、一般の参拝は最初の垣の中、総理大臣もここまでとか。皇太子が2番目の垣まで、一番奥の垣まで入れるのは天皇皇后陛下だけだという。禰宜の先導で垣の中に入り鳥居の前で神妙に参拝。
神楽殿の中の別室に案内され、茶菓の接待をお受けし、鷹司大宮司に面会、30分ほど、色々なお話しをしていただいた。大宮司は宮家の鷹司家に養子に入られ、学習院から慶応の工学部を卒業し、NECに入社、NECの系列会社の経営者から、縁あって、2007年に大宮司に招聘されとのこと。今回は、メンバーの中のYさんが慶応出身ということもあり、大宮司に直接手紙を書いて実現した。また、Nさんが、三田評論に掲載された、鷹司大宮司の紹介記事をコピーしてくれて、電車の中で予習することができた。
 伊勢神宮にはご承知のように、内宮、外宮の二つの御正宮の他に十四の別宮があり、伊勢神宮周辺には、摂社末社、所管社と言われる小さなお社が125社もあり、120人弱の神職が手分けしてご奉仕しているという。神宮には色々なお祭りがあり、祈年祭、月次祭(六月と十二月)、神嘗祭新嘗祭の五大祭の他、年間1500回くらいあるそうだ。
 大宮司さんとの面会の後、神楽殿での神楽を拝観した。巫女と神職が神に御神饌を奉納する舞楽だが、なにごとのおはしますかはしらねども、かたじけなさに、思わず涙が出てきてしまった。