読み納め、「めでたくポンと逝く」??

 渡部昇一の「知的余生の方法」に刺激され、パスカルの「パンセ」とアレクシス・カレルの「人間−この未知なるもの」を今読んでいる。読み終わったわけではないから、正確には読み納めというわけではない。
 12月に入ってからは、「めでたくポンと逝く」(帯津良一)、立川談志の「人生成り行き」(吉川潮)、「老師と少年」(南直哉)、「三昧力」(玄侑宗久)、「死後の世界を突き止めた量子力学」(コンノケンイチ)など、相変わらず、種々雑多に読み散らかしている。
 コンノケンイチの本は数冊読んだが、この本は、アインシュタイン相対性理論は間違っているとか、面白いロジックを展開している。しかし、ちょっと神秘思想に肩入れしすぎの感があり、違和感があった。

 その他の本は、どれも肩が凝らず、楽しく読めた。「めでたくポンと逝く」は、遍理君の糖尿、結石が問題で、余命幾ばくもなくなったからということではないので、ご安心を!、

副題にもあるように、“死を語り合えば生き方が変わる”とあるように、医師の立場から、生と死を語っていて、考えさせられ、納得するところが多かった。

 読み納めにはちょっと骨のある本に挑戦と思い、「パンセ」を取りだした。1962年に18歳で購入した。その時の値段は110円。ページをめくると、あちこちに傍線を引いている。かなり気の利いたところに線を引いているが、18歳のHenryどれほど理解できたのかは怪しい。上巻しか読まなかったようなので、新たに中公クラシックスで?、?を求めた。価格は1700円あまり、約17倍になっているわけだ。狭いマンション暮らしでは全ての本を保管するスペースはない。しかし、この「パンセ」のように、48年振りに再読したくなるものが出てくるので、何を残して、何を処分するかが難しいところだ。
 新しい本で読むのも、新鮮な気分で読めるが、若かりし時に、傍線を引いたところを、改めて読み返すのも楽しい。
 ということで、「パンセ」、「人間−この未知なるもの」は今年中にはとても読み納められないが、“知的余生”のために、来年もじっくり読んでいこうと思っている。