東北・関東大地震

 大変なことになったものだ。今回の地震、それに伴う福島原発の事故、計画停電等々、色々と考えさせられる。
 東京電力の説明、保安院の説明を聞いていると、科学技術がこれほど発達した現代にあって、なぜ次から次へとトラブルが発生、拡大していくのか。いくら設備が古いからと言って、各種安全装置、バックアップシステムが働かない。確かにマグニチュード9.0は想像を絶するエネルギーだが、世界ではM9以上の地震はあった。想定外とは言えないだろう。原子力の怖さ、過去のチェルノブイリ、スリーマイル事故を見れば、今回の福島原発の事故は、技術者のおごり、油断があったのではないかと思えてならない。
 アメリカが先導した、経済・技術一辺倒のグローバリズムのつけが一気に回ってきたのだと思う。科学技術万能主義、技術の進歩にせき立てられてきた現代人の目を覚まされたのではないだろうか。
 今度も携帯電話、通常電話が通じなかった。ニュージーランドでは携帯メールが有効だったようだが、東北・関東大地震では携帯メールも繋がらなかった。確かにPCでのメールや、最新のiフォンは有効な情報伝達手段ではあった。しかし、普及してきたとはいえ、高齢者の何割の人がこういうツールを使いこなしているかは疑問だ。携帯の普及によって、今では公衆電話も見つけるのが難しくなった。
 今回の計画停電の実施で、改めていかに電気に頼って生活しているかを思い知らされる。オール電化などがはやりのようだが、ガス、石油などのエネルギーの代替利用や、企業や商店等は、停電時のバッテリー発電、ディーゼル発電機での電力供給などが重要だ。
 今、国民の一人一人、各企業に節電の呼びかけをしている。市街地のネオン、パチンコ店の明るすぎる照明、至る所、電気の使いすぎだったことを改めて教えられた。 国レベルは言うまでもなく、国民一人一人が、生活、生き方を考え直す時だと思う。
 私は800戸の団地の自治会自主防災会の副会長をしているので、この3日間防災活動に奔走した。建物に被害があったわけではないが、2千数百名の住民の中には40名ほどの要援護者の方がおり、75歳以上の一人住まいのかたも多い。都市ガスの地震感知による安全弁の作動によるガス遮断の復帰方法も分からない高齢者も多い。防災会の仲間と、こういった方々に復帰方法の説明をして回った。
 また、東電計画停電の発表がわかりにくく、いつ、何時からなのかはっきりしない。13日には防災会のメンバーと手分けして、夜の10時から、11時半まで、ハンドマイクで計画停電を知らせに回った。
 我々を東京電力の者のと勘違いした人が、外に出てきて文句を言う人がいた。気持ちは良く分かる。自主防災会ですと言うと、ご苦労様と感謝された。
 この文章を書いている最中に静岡県東部の震度6強の地震があり、驚いた。ここのところ一日中からだが揺れているような感じがする。
 今回の東北・関東大地震の被害状況、救援活動、原発の事故、計画停電のこと等を含め、日本という国全体、国民一人一人が、今までの政治、経済のあり方、人間としての生き方を真剣に考え直さなければならないと思う。 とにかく、これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりだ。