東北・関東大震災と数字

 今回の地震マグニチュードは当初の8.8から9.0に修正された。報道では阪神淡路大震災の3百数十倍と説明していた。これは地震の規模のことではなく、地震のエネルギーが3百数十倍ということである。

 マグニチュードが0.2増える毎にエネルギーは2倍になる。この事は、高校の同級生、防災科学技術研究所の岡田義光理事長(地震学)がLA地震の時に駐在していた私の会社を視察に来た時に、地震のエネルギーのことや、地震時の重力エネルギーのことを教えてもらった。テレビでも、ちょっとマグニチュードとエネルギーのことを説明してもらいたいものだ。
 テレビの報道では、いたずらに不安を大きくするような数字の表現には気をつけてもらいたい。日本人には震度の方が分かりがよいのだが、震度は7までしかない。東北・関東大震災はM9.0ということで、震度では表現できないのだろう。

 福島原発放射能漏れの数字報道にも問題がある。今回の事故ではじめてシーベルトというものを知った。
 シーベルト (Sievert) は、生体への被曝の大きさの単位。記号はSv。SI単位である。呼称は、放射線防護の研究で功績のあったロルフ・マキシミリアン・シーベルトにちなむそうだ。定義はちょっと難しい。関心のある方はウィキペディアで学習してください。

 今回の放射能漏れの報道、ミリシーベルトマイクロシーベルトという単位の表現が混ざっている。我が家人は数字と物理に弱いので、こんがらがって理解するまでに時間がかかった。

 福島原発の事故、これ以上拡大しないことを祈るばかりで、放射能漏れの数値が早く減少し、漏れが収まることを期待する。

 色々なチャネルを見ていると、局によって報道の仕方がまちまちだ。分かりやすく説明しているところ。わかりにくく、かえって視聴者の不安を拡大するような説明をする人、局もある。

 14日の報道では、東京、埼玉などでも単純に平常時の数十倍、100倍の放射能を検知したという表現をしている。法律上の公表義務はあるようだが、被爆量による医学上の問題点などを踏まえて、いたずらに不安を煽らないように、数字やその単位の表現には特に気をつけてもらいたいと思う。