放射線&原発関連読書

 東日本大震災以来、以下の3冊の本読んだ。原子核反応のところは雑誌のニュートンなどを読んだ。
 1.「本当は怖いだけじゃない放射線の話」(WAC新書:大朏博善)→ 東日本大震災前の2002年に書かれたもの。放射線のことはよくわかるが、原発の問題点の指摘は厳しくなく、楽観的解釈が多い。むしろ、放射線の怖さを減らそうとする意図が感じられる。 (分かりやすいと川崎の「A塾」の方に紹介されたもの)
 2.「福島原発メルトダウン」(朝日新書広瀬隆)→ 「原子炉時限爆弾」などの著者で、一貫して反原発の論陣をはってきた。原子力行政を厳しく批判している。「浜岡原発」破局の恐怖や、日本各地の原発の問題点を指摘。 東電、メディア、政府の対応を厳しく追及している。等々、マスコミ報道だけでは分からない事が勉強できた。

FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)

FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)

 3.「原発のウソ」(扶桑社新書:小出裕章)→ 京都大学原子炉実験所助教で一貫して放射線被害を受ける住民の側に立っての活動をしてきている。本来ならば教授になっている実力者なのだが、「助教」のままで、原子力行政の御用学者の道を選ばず、信念を貫いてきた反骨の人だということがテレビで放送された。その時に本の紹介もされたので読んでみた。(2011-6-1出版)原発放射能の怖さ、原発の問題点など鋭く指摘している。
原発のウソ (扶桑社新書)

原発のウソ (扶桑社新書)

福島原発:今後起こりうる最悪のシナリオ 
・レベル7とはどういう事故なのか ・キュリー夫人被曝で亡くなった
・JCO臨界事故の悲劇→それほどひどい事故だったとは知らなかった。
・解明されつつある低レベル被曝の危険性 
原発が生み出した「死の灰」(放射性物質)は広島原爆の80万発分 
原発を造れば造るほど儲かる電力会社 
・地球を温め続ける原発 決してエコではない! 
核燃料サイクル計画の破綻 
・「もんじゅプルサーマル運転の問題点 
六ヶ所村再処理工場の危険性今まで知らなかったこと、

等々、楽観的ないい加減なB型の私もこの本を読んで、さすがに"原発はあかんわ"と思うようになり、放射線の怖さを理解できました。
テレビ、新聞報道とことなり、断片的な知識、情報ではなく、著者の専門分野からの視点から一貫性を持って書かれているので、整理して頭に入る。ただ自分の知識、考え方を持っていないと、著者の考え方に“汚染”される危険があるので、注意して読まなければならないと思う。