「迷える者の禅修行 ドイツ人住職が見た日本仏教」(ネルケ無方:新潮新書)

迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 (新潮新書)

迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 (新潮新書)

 日本にも外国人の仏教修行者がいることは知っていたが、このネルケ無方さんのように筋金入りの住職がおられたとは知らなかった。かの有名な沢木興道師が五代目住職を勤めた安泰寺(兵庫県美方郡新温泉町久斗山62)で修行をし、現在はここの九代目の住職をしている。世界各地から参禅の士が集まっているという。
 ドイツ人ということと、ネルケ無方という名前にも惹かれて読んでみた。ドイツで16歳の時に経験した坐禅メディテーションをきっかけに、坐禅、仏教に興味を持ち、その後、日本史、日本語をはじめ、様々な勉強、色々な寺での修行を積んで現在に至っている。
 amazonでの本の紹介は以下の通り。

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 「お坊さんになって悟りたい!」----。悩めるドイツ人青年の危機を救ったのは、祖国で出会った坐禅だった。出家の覚悟を決めて来日するも、そこで見たものは、この国の仏教のトホホな姿。算盤を弾くばかりの住職、軍隊のような禅堂、仏教に無関心な世間......。失望と流転の末、ようやく辿り着いた理想の修行は、小さな山寺での自給自足・坐禅三昧の生活だった。日本人が忘れた「一瞬を生きる意味」を問う、ドイツ人禅僧のニッポン修行奮闘記。

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 本の帯に「日本人の忘れた“本物の仏教”がここにある」と書かれているように、仏教好きの小生としては、考えさせられ、反省させられるところ大でありました。
 以下のURLでネルケ無方さんのこと、安泰寺のことなどが書かれていますのでご関心のある方は是非ご覧下さい。
http://antaiji.dogen-zen.de/jap/abbotmuho.shtml