道明寺


藤井寺から近鉄南大阪線で二駅ところに道明寺がある。この寺の十一面観音も素晴らしいというので行ってみた。折からの雨で歩くのも大変だったので藤井寺駅前からタクシーに乗った。

 道明寺周辺は、菅原道真の祖先にあたる豪族、土師(はじ)氏の根拠地で、道明寺は土師氏の氏寺土師寺として建立され、今の道明寺天満宮の前にあった。当時は七堂伽藍や五重塔のある大規模なものであったという。
 901年(延喜元年)、大宰府に左遷される道真がこの寺にいた叔母の覚寿尼を訪ね「鳴けばこそ別れも憂けれ鶏の音のなからん里の暁もかな」と詠み、別れを惜しんだと伝えられる。この故事は、後に人形浄瑠璃・歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』「道明寺」の場にも描かれている。道真の死後、寺名は道明寺と改められるが、これは道真の号である「道明」に由来する。


 個々の十一面観音は菅原道真の作という。道真が仏像まで作っていたとは知らなかった。こちらの仏像も拝観日が月に2回ほどで、残念ながら拝観できなかった。画像で見てもなかなか気品のある十一面観音である。機会があれば是非実物を見てみたいと思った。
 
 葛井寺、道明寺とも土砂降りの雨の中、肝心の仏像も見られず、家内は準備不足とcomplain. 拝観可能日を選んで行ったわけではないので、致し方なしでありました。寺の雰囲気を味わったことでよしとしよう。