麻生元総理講演会

 異業種交流会に麻生元首相が来て講演をされるというので聞きに行った。先般の安倍晋三元首相に続いての講演会だ。安倍さん同様投げ出し総理大臣と言われ、マスコミ、一般国民からの評判が良くなかった。どんなお方なのか、今現在はどのように議員生活を送っているのか、関心もあり参加した。麻生さん、1940年生まれの71歳、ゴルフ焼けか、日焼けの顔の色つやもよく、かなり若く60代前半くらいに見えた。
 3.11、原発事故以来、日本の政治経済状況が思わしくないが、政府はもっと財政出動をして、民間設備投資、個人消費、政府支出を増やさなくてはいけないと言う。
 1930年の世界恐慌のあと、公共投資、などいくつかの政策を実行し、世界でいち早くデフレ脱出を図った、当時の大蔵大臣高橋是清に話が及ぶ。総理大臣としてはあまり成功しなかったと言うが、6度にわたる大蔵大臣としての業績は、現在の政治家が学ばねばならないと言っていた。アメリカのルーズベルト大統領のニューディール政策高橋是清のパクリだそうである。
 外交問題については、昨今の竹島尖閣列島北方領土などきな臭い動きがあるが、大事なことは、防衛力という力を使う国民の合意が必要であると同時に、そういう力を持っていることを相手に知らせる力も重要だと話す。世の中で大きい顔が出来る奴は、喧嘩の強い奴と勉強のできる奴、喧嘩だけでもだめ、勉強だけでもダメ、両方が手を結べば?・・・、アメリカは喧嘩が強い。日本は頭が良いだろうか?こんな話も面白かった。
 マンが好きの麻生さん、フランス、LAのコスプレ大会の話や、ピカチュウドラえもん鉄腕アトム等に触れながらの日本のロボット技術の素晴らしさの話など、“漢字の読めない”総理ではなく、漫画文化の素晴らしさ、ゴッホが日本の浮世絵から多くを学んだという話など、日本人はもっと日本の歴史、文化を勉強しなければいけないと言われる。
 マスコミにたたかれた麻生元総理というイメージとは全く違う面に接することが出来て良かったと思う。
 前回の安倍元総理の時もそうだったが、こういう人は、マスコミで見る、語られるイメージと実際に会って話を聞く、話をするのとは大きな違いがあることを実感した。