「人間の叡智」(文春新書:佐藤優)

 佐藤優が今度はどんなことをこの本で書こうとしているのか興味があったので読んでみた。以下は本の帯、Webでの紹介文です。
◆なぜあなたの仕事はつらく、給料は上がらないのか? TPP加盟はほんとうに悪なのか? 橋下徹氏にこの国をゆだねるべきか? こうした問題を解くキーワードが「新・帝国主義」です。いまや米露中、EUと中東は、「新・帝国主義」によって世界を再編し、国家のエゴ剥き出しで戦っています。
今こそ「帝国主義」という言葉の悪魔祓いをし、現状を冷静に認識するときです。食うか食われるかの帝国主義的外交ゲームの中で、少なくとも食われないようにすること。その武器になるのが、「人間の叡智」です。
ハイレベルな世界情勢をわかりやすく語りおろした、佐藤優氏、渾身の一冊。

◆下がる賃金、厳しい就活、ひろがる格差。あなたの仕事がつらいのは、世界がすでに「新・帝国主義」時代に入っているからだ。食うか食われるかのゲームのルールを見極め、それを打ち破る武器としての「物語」を手に入れよ。日本とあなたが生き延びる道がわかる「国家論」決定版。

カウツキーの「超帝国主義論」に述べられている、“新帝国主義”に基づき、日本も新帝国主義を目指すべきだと言う。新帝国主義を説明するのは難しい。興味のある方は、是非この本をお読みいただきたい。
・国際ルールを知らない中国とのつき合い(外交)は気をつけなければいけない。
・イランが核をもつことの恐ろしさ。
・イギリスは今でも帝国である。
橋下徹ハシズムファシズム
・エリート論
・日本人の思考は目に見えないものをリアルなものとして捉える”実念論”的である。
 等々、一般のマスコミ、本、政治家などと異なる視点から鋭い考察をしていて、現在の日本、世界の政治経済状況を見つめる上で、いろいろと考えさせられるところ大でした。

佐藤優も沢山の本を書いていますが、私が読んだのは以下の数冊だけです。 
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて」 (新潮文庫)
「ぼくらの頭脳の鍛え方」 (文春新書) 立花 隆・佐藤 優
「インテリジェンス人間論」 (新潮文庫)
「はじめての宗教論 右巻、左巻」(生活人新書:佐藤優
佐藤優については、2009/1/28、2010/11/25、2011/1/28にブログで書いています。検索窓に「佐藤優」と入れれば出てきます。
ご参考になれば幸いです。

人間の叡智 (文春新書 869)

人間の叡智 (文春新書 869)