渡部昇一の昭和史

 吉田茂のTVドラマ「負けて勝つ」を見て、吉田茂のことや、昭和史を読みたくなって、積読だった「渡部昇一の昭和史ー正」を読んだ。大学受験の時に日本史をとったのだが、近・現代史、昭和史はほとんど勉強しなかった。数年前から多少、昭和史や戦後史を読んできたが詳細のところは分かっていない。
 日清、日露戦争の世界史的意義、祖国防衛戦争の真実や、マッカーサーが「日本人が戦争に突入したのは主として自衛のために余儀なくされたものであった」と証言した大東亜戦争(アメリカはこの戦争を太平洋戦争と言っている)のこと。何故この戦争に至ったかを語る。また、東京裁判史観の大いなる罪など、戦後世代が間違った亡国史観、自虐史観を植えつけられきたことを指摘する。

渡部昇一の昭和史 正 (WAC BUNKO 92)

渡部昇一の昭和史 正 (WAC BUNKO 92)

 渡部昇一は一部に右翼ともみなされている。私もしばらくはそのようにも思ってきたところがある。しかし、A塾のT先生のお話を何度かお聞きするうちに、戦後世代の私たちが、知らず知らずのうちに、左翼歴史家、左翼思想家の書物、また教育者に影響を受けて、近現代史を見てきたことに気づかされた。
 今、日中、日韓の領土問題がきな臭い、北方領土問題も片づいていない。そういう中、日本の政治状況は混迷している。きっちりとした歴史認識を持ち、毅然たる態度で政治、外交のできる強いリーダーが出て来ないものだろうか。
 石原新党日本維新の会等の動きもどうなるか?、衆議院解散後の政界再編がどうなるのかにかかって来るが、まだまだ日本の政治状況ははっきりとした方向が見えてきそうにない。
 「渡部昇一の昭和史ー正」を読んで、改めて昨今の日本の政治について考えさせられた。