奈良での 高校クラス会 その1

 奈良での一泊のクラス会をやった。参加者は10人、この年になると、ちょっと遠い所への一拍旅行は参加したくても都合が悪くなる人が多いようだ。
 東大寺大仏殿、二月堂、三月堂、東大寺ミュージアムの日光・月光菩薩十二神将戒壇院の四天王など、何度見ても素晴らしい仏像だ。近くのレストランで夕食会、宿泊所に戻ってから、懇談。いろんな話題の後、私が用意した資料で、東大寺興福寺の仏教でもある、華厳宗華厳経法相宗などについて簡単に説明。
 クラスメイトには大学時代に仏教研究会に入り道元曹洞宗初め、仏教全般に詳しい人もいたり、最近、古事記などに興味を持ち、古代史を勉強している人、元教員や、我が高校始まって以来の女性獣医さんなど多士済々だ。そんなわけでうかつなことはしゃべれない。あまり蘊蓄になると嫌がられるが、寺の参詣や、仏像鑑賞のプラスになればと、さらりと話させてもらった。
 翌日は、律宗総本山、唐招提寺鑑真和上像(レプリカ)、薬師如来、盧遮那仏坐像、千手観音を見た。千本はないだろうと思った千手観音は、953本で元は千本あったという。
 薬師寺は東塔が解体修理中で西塔しか見られなかった。和辻哲郎が「古寺巡礼」の中で感情移入の入れ込みをした、聖観世音菩薩像を見る。玄奘三蔵院伽藍の大唐西域壁画殿では平山郁夫が30年の歳月をかけて完成させた玄奘三蔵求法の精神を描いた壁画を見た。テレビで観たことはあったが、現物は見応えがあった。

 寺院の建物と紅葉は、山や川、湖等とは違った味わいがある。京都の紅葉の名所の寺院と異なり、奈良は人が混みすぎておらず、晴天にもめぐまれ、紅葉観賞も楽しめたのも良かった。
 田中英道先生の講義を聴き、先生の著作の「日本美術全史」などを読んでいたので、今までとは違った仏像鑑賞ができた。