「諸菓、寒具(ひがし)など、炙り食へば害なし」

 お菓子の「菓」に草かんむりがつき、果物「果」に草冠がつかないのはなぜか。
果物は植物で、お菓子はすでに草ではないのにどう考えても、逆転使用ではないか。
 貝原益軒の養生訓に「諸菓、寒具(ひがし)など、炙り食へば害なし」という言葉がある。
寒具(ひがし)というのは干菓子のこと、諸菓も菓子のことかと思うが、お菓子を炙り食うとは?? 養生訓の続く文章には諸菓とは、甜瓜(あまうり)とか熟柿、乾柿や梨のこととある。となると、この「菓」は菓子のことではなく、果物のことではないか。
 そうすると、果物は菓物、菓子は果子と書いたほうがいいのではないか。
と、玄侑宗久貝原益軒の養生訓をベースにした、「自愛の手引書 養生事始」という本の中書いている。
 本の中の挿し絵がわかりやすく説明してくれている。なるほど言われてみれば!