玄侑宗久講演会 その1>
家人に引かれて、玄侑宗久さんの講演会に行ってきた。最近家人も玄侑宗久が気に入って、いろいろと本を読んでいる。ネットで検索しているうちに、新宿の明治安田生命ビル浅草寺仏教文化講座があり、玄侑宗久さんの講演があるという。演題は「日本人のこころのかたち」、昨年末に角川SSC新書から出版されており、家人が読んだ後、私も読んだ。なかなか素晴らしい内容だった。今年の年賀挨拶は、この本から “両行” を引用させていただいた。
 「こんにちは」、「こんばんは」という日本人独特の挨拶は、Good morninng! , Good evening! とは違う。「こんにちは(今日は)・・・」「こんばんは(今晩は)・・・」ということであり、毎日、新鮮な気持ちで、”常に一から出直す”という意味が込められているという。また、「あはれ」という言葉は、悲哀、惨め、という意味だけではなく、「感動を受けるさま」の、立派だ、感心だ、という意味合いから、中世には強い感動を表す際に促音化して「あっぱれ」が生じた。などなど、講演会の内容はほぼ本の内容と同じだが、やはり、面授、顔を見て直接声を聞くのは、間合いやユーモアなど、読書とは異なる味わいがあった。