玄侑宗久講演会 その2  “犬も歩けば棒にあたる”

 講演会で玄侑さんから ”犬も歩けば棒にあたる”の話を聞いた。この棒はただの棒ではなく、棒組のこと、棒組とは駕籠かきの相棒のことだという。今人気のドラマの「相棒」と同じだ。
 このいろはかるた、犬がうろつき歩いていると人に棒でたたかれるという意味から、出しゃばると災難にあたるという意味と、何かをしているうちに思いがけない幸運に出会うという、よい意味でもつかわれると辞書にある。Webで調べたら英訳が載っていた。The walking dog finds a bone. 或いは、The dog that trots about finds a bone.直接的で味わいがないが、これならわかりやすい。
 
 両方の意味があるということは知っていたが、棒組の意味があるとは知らなかった。
 じっとしていないで、外に向けて行動を起こせば、相棒=友達にも出合い、よいことがあるということだろうか。

 いろはかるたも、江戸版、大阪版(名古屋版)、京都版があって
・論より証拠(江戸)・論語読みの論語知らず(大阪・京都)
・花より団子(江戸・京都)・針の穴から天を覗く(大阪・名古屋)
・骨折り損のくたびれ儲け(江戸)・仏の顔も三度(大阪・名古屋)・惚れたが因果(京都)etc.
改めて意味を問われると、はて?と思うものもあるが、それぞれに味わいがある。
 「急がば回れ」「善は急げ」「果報は寝て待て」「芸は身の仇」「芸は身を助く」etc.
いろはかるただけでなく、日本のことわざには反対のことを言う者が沢山ある。要は“中庸”、”両行”が大切だということだろう。
 孫たちにも、いろはかるたの正しい意味を教えなくてはと改めて思った。