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青年は荒野をめざす (文春文庫)

青年は荒野をめざす (文春文庫)

 五木寛之横尾忠則の対談を読んだ。面白い対談だった。その中で、五木寛之がJazzが好きでかなり詳しそうだということがわかり、「青年は荒野をめざす」がJazz小説とも言えるものだということを知った。ジャズ好きのHenryとしては読まずになるめー!、早速、図書館で借りて読んだ。Jazz好きのトランペットを吹く青年が、大学を休学して船でナホトカに向かいそこから、モスクワ、レニングラードヘルシンキストックホルムコペンハーゲン、パリ、マドリッドリスボンとJazzトランペットを吹きながら、エキサイティングな青春の彷徨を続ける。
 Jazzの本場ニューヨーク、新たな荒野に向けての船に乗ったところで小説は終わっている。
Jazz好きの小生にとっては、いろいろなシーンが面白く、一気に読んでしまった。
 この本、1967年の作品なので私が23歳の社会人になった歳だ。五木寛之の本は「大河の一滴」や「他力」「下山の思想」など、仏教関連の本は多く読んで来ているが、小説は1969年の「デラシネの旗」しか読んでいない。五木寛之が若い時にこういう小説を書いたことを知らなかった。まして、今の五木寛之からはJazz好きということは想像できなかった。
60年代の若者には相当にセンセーショナルな本だったようだ。私ももっと若い時に読んでみたかった。
 今となっては、"老年は好爺"を目指すしかないが、ハートはいつまでも荒野をめざしていきたいと思っている!