浅田次郎

「霞町物語」「勇気凛凛ルリの色」二冊を家人の勧めで読んだ。浅田次郎は「鉄道員」「壬生義士伝」等の作家として知っていた。「鉄道員」は良い物語の映画だったが、原作は読んでいない。「壬生義士伝」は最初の方だけ読んでやめてしまった。
 霞町物語は、浅田次郎の青春時代の自伝風の短編集だが、各編がつながりのある青春ドラマになっている。浅田次郎は私より7歳若いが、六本木育ちで裕福な少年時代を送っている。昭和の高度成長期に青春を送ったユニークな人生経験が味わいのある文章を書かせている。
 私の青春時代は少しさかのぼるが、ほぼ同時代、高校から大学時代、錦糸町、新宿、渋谷、等を少々徘徊した。Nコロ、ブルーバード3S、スカGなどの車の名前も懐かしい。
 文中に出てくる赤坂のムゲンには、社会人になったあと、大宮から会社の仲間数人で、夜、車を飛ばして一度だけ行ったことを思い出して懐かしかった。
 「霞町物語」はどの編も味わいがあるが、”雛の花”、”遺影”が良かった。
我が家人の読書は、一度気に入ると徹底的に同じ作家のものを読む。浅田次郎の作品は、既に10数冊は読んでいる。その点では、いいかげんな我が読書方法とは大分異なる。
 お勧めであります!
 

 

霞町物語 (講談社文庫)

霞町物語 (講談社文庫)