新年ご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。今年は昨年9月に長姉が他界したので喪中、年賀状もなく静かな元旦。ただ、喪中のはがきを出し損なってしまった方が何人かおり、寒中見舞いを出さなくてはいけない。

 コロナ禍の拡大と北日本の大雪の中我が埼玉県は快晴の静かで穏やかな申し訳ないような元日である。家族全員病気もなく、健康で迎えられたことを神仏に感謝❗
 今年も引き続きFBをご笑覧頂きたく宜しくお願い申し上げます。
 

コロナ禍の大晦日

こんな大晦日を世界中の誰が予期しただろうか? 東京都の感染者が1000人を超えるのは時間の問題とは思っていたが、大晦日に! しかも一気に1300人超えとは恐ろしい❗  
 今日はエール総集編を見てあらためてドラマの素晴らしさと、古関裕而の歌に泣けた。
 夜は紅白でエール特集、2歳の孫の好きな嵐、その親の好きなYoshkiなどのつまみ視聴はするものの、この年になると若い人の歌には良いメロディーの歌があるものの詩に感動するものが少なくなってる。テレビ東京の年忘れ日本の歌の歌謡曲、演歌のほうが落ち着く。
 コロナで明け暮れた一年で、思いがけなくも、スローライフをすることになった❗  
 2021年は、世界中の人達が、ザ・サピエンスの傲慢さを反省し、政治家の愚かさは言うまでもなく、ゆき過ぎた経済成長、環境破壊をいまこそ考え直さなければいけないと思う❗
 

2020年 読み納め 「私の歎異抄」(紀野一義)

釈撤宗さんの「歎異抄 救いの言葉」を読み終え、改めて、紀野一義さんの「私の歎異抄」が読みたくなり、再読した。前に読んだのが2009年だから11年前になる。歎異抄に関してはいろいろな方のものを読んできたが、紀野さんのこの本は印象に残っている。改めて、歎異抄の中の親鸞の言葉を噛みしめ直す。
 
 善人なほもつて往生をとぐ、いはんや悪人をや。
 
 今生に、いかにいとほし不便と おもふとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし。
 
 親鸞は父母の孝養のためとて、一返にても念仏申したること、 いまだ候はず。
 
 親鸞は弟子一人ももたず 候ふ。
 
 「薬あればとて、毒をこのむべからず」
 
 「さるべき業縁のもよほさば、 いかなるふるまひもすべし」
 
 弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞 一人がためなりけり。
 
 ズバッとした鋭い言いきりがハートにずしんと入ってくる。
紀野さんは、あるドイツ人が言った、「ヘッセの文学を真に理解するためにはゲミュートがなくてはいかぬ」と引用した。ゲミュートとはgemut
しいて日本語にすれば「情感」が近く、歎異抄親鸞の言葉は声に出して読んで、親鸞のゲミュート、歎異抄のゲミュートを体得しなければならないと述べている。
 
 紀野さんのこの本、単に歎異抄の解説にとどまらず、大乗仏教、般若心経、道元日蓮蓮如暁烏敏など、いろいろな仏教思想、人物に言及しながらの内容が鋭くかつ味わい深い。
 
 ところで、読み初めは季語にもなっているが、読み納めは一般に使われてはいるようだが、広辞苑など身近な辞書には載っていない?
 
 青春のころに出会った歎異抄、コロナ禍の2020年、静かに初心に還り、読み納めとした。

<昭和歌謡界の巨匠相次いで亡くなる>

10/7筒美京平さん80歳、12/20中村泰士さん81歳、12/23なかにし礼さん82歳と相次いで、昭和の歌謡史の巨匠がなくなった。三人とも私と4~6歳の年の差だ! 昭和の歌謡史を築いてきた作詞家、作曲家がなくなって寂しい!
筒美京平の「また逢う日まで」、中村泰士の「喝采」、なかにし礼の「天使の誘惑」はいずれもレコード大賞をとっている。また、「北酒場」はなかにし礼作詞、中村泰士作曲でのレコード大賞だ。この三人、他にもたくさんの名曲を作っている。
特に、なかにし礼さんは「人形の家」「別れの朝」「石狩挽歌」など私の好きな曲だった。また、なかにし礼さんんが書いた「歌謡曲から『昭和』を読む」(NHK新書)は昭和歌謡を通じて昭和史が情感的に理解できて面白く読ませていただいた。
お三方のご冥福を祈るばかりだ!合掌!

釈撤宗 「歎異抄 救いの言葉」(文春新書)を読む

 18歳の時に初めて本多顕彰歎異抄入門を読んでから多くの歎異抄解説本を読んできた。岩波文庫の金子大栄の歎異抄をはじめ、紀野一義梅原猛五木寛之野間宏玄侑宗久などの解説本を読んできた。印象に残るのは、本多顕彰の「歎異抄入門」、紀野一義の「私の歎異抄」だ。
 釈撤宗さんのこの本、歎異抄の講義をベースにして書かれたもの。そのため、説明が丁寧で分かりやすく、親鸞の思想、その時代の他の仏教者の思想や、大乗仏教、平安仏教にも触れながらの説明が分かりやすい。
 若い時からいろいろな仏教者や僧侶の書いたものを読んできたが、そういった方々の多くは既にあの世へ逝かれてしまった。
 最近は南直哉、玄侑宗久さんの書いたものをよく読んできたが、南直哉62歳、玄侑宗久64歳と私より10歳以上若い。釈撤宗は59歳と更に若い。しかし、さすがに僧侶!皆さんよく勉強していて良い本を書かれている。
 釈さんのこの本で久しぶりに歎異抄をじっくりと読み直した。初めて歎異抄に出会ってからかれこれ50年近く、今回も新たな発見があった。歎異抄親鸞の仏教、思想が私の人生観の原点であることを再認識した。

Amazon Prime Music & YouTube

amazonプライムで月々500円でいろいろな音楽を聴かせてくれる。YouTubeもいろんな音楽動画が見られ、Jazz、クラッシック、演歌、ポップスなどなんでも聞くことができる。但し、有料会員にならないとCMが入るのがうっとうしい。会員は月1150円なのだがこちらには加入していない。
長男が以前防滴のBlutoothをくれたので、最近は入浴しながらJAZZを聴き、しばしのリラックスタイムを楽しんでいる。
YouTubeもJazzや演歌を就寝前に楽しんでいる。Amazonは、夜のジャズ、Cafe Jazz、ジャズfor リラックス、スムースジャズ、etc. のようないろいろなメニューを用意しているので都度その時の気分で選んでいる。
BlueToothスピーカーも安くていい音が出るので、風呂用、キッチン、寝室、書斎と4台おいて、TPOで楽しんでいる。
Amazonはそれぞれのメニューに応じて、色々なプレーヤーの名演奏を聴かせてくれるので飽きない。

「南方熊楠と宮沢賢治」(鎌田東二:平凡社新書)

   副題を日本的スピリチャリティーの系譜として、鎌田東二が二人のMK、南方熊楠宮沢賢治について書いている。鎌田さんは、「神道とは何か」「身体の宇宙誌」など多くの本を書いている。仏教、神道宮沢賢治、妖怪学など幅広い著作がある。
 この本では、南方熊楠密教曼陀羅の世界観と、宮沢賢治法華経世界観との対比だけでなく、賢治の語る蓮如の白骨の御文、熊楠の大日和讃など熊楠仏教と賢治仏教の対比や華厳経の思想との比較など興味深く語られている。又、賢治の妖怪物語や熊楠の妖怪民俗学などの比較も面白かった。
 賢治の詩、物語が法華経、仏教的世界観がベースにあることは承知して、賢治の作品を読んできたが、今回鎌田さんのこの本を読んで、もっと深い世界観が「春と修羅」などの詩に込められていることを改めて教えられた。
 終章での二人の天台本学思想として、熊楠は分子生体博物学、賢治は分子生体進化学として、もしくは、熊楠は博物学的生命主義、賢治は法華銀河生命主義ととらまえての分析が面白かった。
 改めて、熊楠、賢治を読み直してみたいと思った。