会社の友人の勧めで「中高生と語る大脳生理学」読んだ。いままでに、ブルーバックスや各種新書の類書はかなり読んできましたが、この本は大変わかりやすく、且つ面白く書かれていることに感心させられました。大脳生理学の専門家がニューヨーク在住の日本人高校生相手に行った講義の記録。わかりやすい図解入りでブルーバックスの類の本よりすっと頭に入る。しかしじっくり読むと奥が深い。
軽く読んでも「動かそうと思う一秒前から脳は準備を始めている」とか「錯覚が起きるのは二次元の網膜で立体視をするため」、「脳が身体を規定するのではなく、身体が脳を規定する。たとえば、やけどで指がくっついて4本指になった人の脳は4本に対応する脳回路を形成する。この人が手術で5本に回復したら、脳も5本に対応する脳の働きをする」というような話は、不思議、且つ面白いと思った。また、脳だけ比較するとイルカの方が上とか、いろいろとおもしろい話があちこちにあり、一気に読み進んでしまう。
子供、孫がまだ小さい方には、幼児教育のためにもご一読をお勧めします。
大脳生理学関係の本は、脳の各部位の名称や、脳内の各種化学物質とその働きなど、大変複雑で断片的な知識の蓄積だけでは、自分ではおぼろげに理解していても、他人にうまく説明することができません。この本のように説明すれば素人にもわかりやすいなと思いました。
- 作者: 池谷裕二,長崎訓子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2004/10/23
- メディア: 単行本
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