「生命を捉えなおす」

 ここのところ本の話を書いていない。本の読後感想というのはちょっと力を入れないと簡単には書けない。私のブログのアンテナに、よく、松岡正剛さんの「千夜千冊」の記事が載る。先週、清水博さんの「生命を捉えなおす」(中公新書)がアンテナにかかっていた。松岡正剛がこの本を読んで衝撃を受けたのは34歳の時とある。私が読んだのは1999年。いちおうIT関連会社に勤務していたので、非常に興味深く読んだことを記憶している。そのあと「生命知としての場の論理」(中公新書)、「生命と場所」(NTT出版)などを読んだ。
 「生命を捉えなおす」は“生きている状態とは何か”という副題にあるように、物理、生命科学、遺伝子学、情報、生命的調和、脳の働きと関係子etc.、いろんな角度から“生命を捉えなおし”ている。
 清水さん曰く、シュレジンガーの有名な著書「生命とは何か」(岩波新書)以後のことを書いてみたという。
 とても私ごときが簡単に感想を書けるような内容ではない。以下の目次を見ていただければ内容の多様性と奥行きをがわかってもらえると思う。

 
◆ 背景となること ◆生きている状態 ◆マクロな状態とエントロピー ◆静的秩序と生命  ◆動的秩序の自己形成 ◆生体運動と動的協力性 ◆ リズムと形態形成 ◆秩序の自己形成系と情報 ◆新しい自然像 ◆ 新しい人間像 ◆生命的調和の世界 ◆関係子とは何か ◆脳の働きと関係子

 ご関心のある方は松岡さんの「千夜千冊」のコメントを読まれた後、是非一度お読み下さい。(但しかなり硬いので読むには覚悟が必要か?)
                

生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (中公新書)

生命を捉えなおす―生きている状態とは何か (中公新書)

以下のURLは松岡正剛さんの「千夜千冊」のHPです。この人の博覧強記には驚嘆します。清水博さんと親交があることも今回知りました。知は知を呼ぶということだろうか。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1060.html