マンダラ展

 埼玉県立美術館にマンダラ展を見に行って。今までに、日本の金剛界曼荼羅胎蔵界曼荼羅や當麻曼荼羅などは見てきた。何冊かの曼荼羅解説本でチベット曼荼羅の何たるかはすこしは分かってきた。しかし、いまだに、心(Heart)で曼荼羅を理解することができないでいる。
 南方熊楠の「南方マンダラ」などはなおさら分からない。わからないから余計惹かれるのかもしれない。
 この展覧会でもチベットやネパールのマンダラが展示されており、あらためていろいろなマンダラがあることを知った。やはり、曼荼羅を見て、瞑想、観想の行を重ねなければ分からないのかもしれない。
 常設展で学芸員の方が絵画の見方を分かりやすく面白く解説してくれた。母袋俊也という画家の“絵画のための見晴らし小屋”というコンセプトを、展示作品を通して説明してくれた。絵そのものの展示だけでなく、その絵を覗き窓からみる、ある部分だけを切り取ってみるといった趣向が面白かった。
 絵画の中にその画家の過去から現在にいたる心の軌跡、心象風景、脳の中のデジャブーの、世界をどう見るかなど、絵画のより深い鑑賞の仕方を教えてもらった。
 以前書いたように、赤瀬川原平さんのアドバイスに従い、双眼鏡を持っていって一部の絵を鑑賞した。ちょっと違った鑑賞が出来た。