「まわりみち極楽論」(玄侑宗久:朝日文庫)

 玄侑宗久さん、ちょっと書きすぎじゃないかと思ったが、題名につられて読んだ。最近書いたものかと思ったら、週刊朝日別冊に書いたものに書下ろしを追加したもの。仏教学者、単なる堅物僧侶と一味違う立場で仏教を語ってくれる所が分かりやすくていいと思う。この本は、俳句、川柳、都都逸などを随所に入れながらの“極楽論”となっており、楽しく仏教の“Heart”と“理”を語り、教えてくれている。
 以下、本の中からいくつか気に入ったものを書き出してみました。
色々な話題を織り交ぜて、分かりやすい玄侑流極楽論になっていて面白かった。

・ ともかくも 心一つを住みかえよ 山も浮世も 外ならばこそ
・ うつむくは その掟なり 百合の花 (加賀の千代女)
・ 「笑わざれば以って道となすに足らず」(老子
・ 幼子の 次第次第に智慧づきて 仏に遠く なるぞ悲しき

まわりみち極楽論―人生の不安にこたえる (朝日文庫)

まわりみち極楽論―人生の不安にこたえる (朝日文庫)