『脳はいかにして<神>を見るか』(ニューバーグ&ダギリ)

 文芸春秋12月号の中の玄侑宗久柳澤桂子の往復書簡の中で玄侑さんが紹介していたので読んでみた。玄侑さんは臨済宗の僧侶だが、自分の座禅体験、瞑想体験などを、科学的にも研究したくてこの手の本もたくさん読んでいるようだ。他の本の中でも出ていたが、アインシュタイン相対性理論や量子物理学も勉強している。どちらかというと理科系のHenryにとっては、ただひたすら仏教についてのみ語る人よりは、鎌田茂、山折哲雄天外伺朗岡野守也といった人たちのもののほうが分かりやすく説得力があるように思う。
 この本もamazonの読者レビューを読むと評価はまちまちですが、神話をつくりだした人間の脳、人間の脳はなぜ神秘体験をするように進化してきたのかなどを探求していて、一読に値するものだと思う。
 これも私の文章力と理解力では、簡単に内容紹介するのは難しいので以下の出版社/著者からの内容紹介をお読みください。

                                                                                                                      • -

◆ 脳神経学者である著者のニューバーグとダギリは、宗教体験を
科学的に解明する「信仰の生物学」の研究の結果、「いわゆる神秘体験は幻覚ではなく、脳神経学的に測定可能な現象であり、宗教的体験は、ヒトの脳だけに組み込まれた先天的機能である」という仮説を立てた。
 本書はこの仮説に基づき、ヒトの脳の基本メカニズムを解説した後、神話、儀式、神秘体験、宗教、絶対者などが、脳が自己と他者の区別を認識しなくなる「絶対的合一状態」に由来するものだという証拠を示していく。その鍵になるのが、身体の空間的な位置把握を司る脳の「方向定位連合野」だ。瞑想における極度の集中、あるいは「無」の状態がこの領域への感覚入力を遮断し、特別なモードに入ることが宗教体験を引き起こすというのだ。多くの事例を交えながら、平易な言葉で知的興味を喚起するポピュラー・サイエンスである。

脳はいかにして“神”を見るか―宗教体験のブレイン・サイエンス

脳はいかにして“神”を見るか―宗教体験のブレイン・サイエンス

  • 作者: アンドリューニューバーグ,ヴィンスローズ,ユージーンダギリ,Andrew Newberg,Vince Rause,Eugene D’aquili,茂木健一郎
  • 出版社/メーカー: PHPエディターズグループ
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 22回
  • この商品を含むブログ (7件) を見る