神楽坂料亭と三味線

 昨晩は二十年ぶり位だろうか、神楽坂の料亭で会食をした。「馳走 紺屋」という歴史のある粋な店だった。LA駐在時代の友人と妙齢婦人の3人。6時に入った。BGMがジャズを流している。最近はこういうところでもジャズを流すのかと感心した。日本式部屋の古さと窓から見える庭が妙にジャズと合う。6時半頃になったら、ジャズが急に三味線に変わった。やはり、三味線の方が似合うかなと思う。BGMにしては音に艶がある。トイレに行くついでにふと見るとお姉さんが三味線を弾いている。こういうところで三亀松の都都逸を聞いたら乙だろうなと思った。お姉さんに、よかったら三亀松の新内でもお願いしますと、リクエストした。一緒に会食した妙齢さんは友人の会社関係の女性、まだ30代だけど三亀松の新内や都都逸のなどの話が分かって楽しかった。
 今日、夕食で一杯やりながら、TBSラジオの「談志の遺言」という番組を聞いた。たまたま「音曲」の話で、新内、都都逸などを聞かせてくれた。ゲストに柳家小菊さんも来て、談志、小菊の共演も楽しかった。
 今どのくらいの人が、どんな年齢層の人がこういうラジオ番組、都都逸、新内、端唄、小唄などというものを聞くのだろうか。番組が続いているということはそれなりの視聴者がいてのことだろう。 Henry君もジャズを聞く一方で、最近は妙に日本のこういった芸能が懐かしく、かつ楽しくなってきている。小さい時に聞いた、お婆ちゃんやオヤジが口ずさむものや、ラジオしかなかった頃に流れていた「音」に刻まれたDNAが呼び覚まされたのだろうか、腹にしっくりとしみるものがある。柳家小菊は1年前に新宿の末広亭で聞いた。なかなかの芸人だ。最近「江戸のラブソング」というCDを発売したしたという。買って聞いてみたいと思う。
 歳のせいだろう、神社仏閣のみならず、三味線とか日本の古典芸能の良さが理屈ではなくて、その良さが肌で感じ少し分かるようになってきたようだ。