達磨絵と禅語
禅画教室の先生から面白い言葉を教えてもらった。「碧巌録」の中で見つけたと言う。
「遠仁者疎道、不苦者有智」皆さん読めますか。万葉仮名風ですが、「おにはそと、ふくわうち」と読み、その意味は、「仁に遠き者、道に疎く、智ある者、苦あらず」ということのようです。
先生曰く、節分の前にこの文句を知っていたら、達磨絵にこの句を書いたのだがとのこと。
「節分」も中国から伝わったのだろうが、中国にも日本と同じような節分の行事があるのだろうか。「鬼は外、福は内」は中国でもやるのだろうか。「碧巌録」は、中国の宋の時代の仏書、私はまだ読んでいないので分からないが、本当に「碧巌録」の中で、著者の克勤(こくごん)が言っているのだろうか。碧巌録も読んでみたくなった。「臨済録」と並んで臨済宗で重視されているそうだ。
禅画には禅語がつきもので、達磨絵の中に「喫茶去」とか「随処作主」「一期一会」などと書く。達磨絵だけでなく禅語を書き添えるとなんとなく達磨絵にしまりが出て味わいが出る。
私の達磨絵修行もまだ10ヶ月余りだが、先輩の生徒さんたちと一緒に明日からの展示会に出典することになった。まだまだそんな段階ではないのだけど、生徒全員一人2,3点出しなさいというので仕方なく8枚ほど書いて先生にましなものを選んでもらった。
習い事は何事も同じだと思うが、少し慣れてくると色気が出てくる。色気を出すと絵がかえって生きてこない。初めて無心に描いた時のほうが線が生きていることもある。
何事も一つのことを最低10年は続けないと一人前にはなれないだろう。浮気性のHenryは達磨絵を10年続ける根性はない。そろそろ水墨画か水彩画あたりがやりたくなってきた。とはいっても、下書きをしないと上手くかけないのでは情ないので、自分の達磨絵が描けるようになるまでもうしばらく修行をしようと思う。