最近の読書

◆ 「神と仏の間」
 日本人の民間・民衆の中で仏教伝来以前からあった原始神道と仏教伝来後の神と仏の関係を各地方、民衆の間で伝承、変形されてきた姿を教えてくれた。
◆ 「続神々の体系」(上山春平:中公新書
 「神々の体系」の続編、記紀神話の陰の編集者、藤原不比等を色々な角度からの論証を通じて明らかかにしてくれていて面白く読んだ
◆ 「中世神話」(山本ひろ子岩波新書
 記紀神話が中世の時代背景のもとで、どのように編集、改変されてきたかを教えてくれている。古事記日本書紀もほとんど勉強してこなかった私にとっては、いろいろなことが耳新しい。古代から中世、そこから、近世、現代へと日本神話が色々な脚色を経て、現代日本人の中に染み込んできたことを実感する。
 上山春平の「神々の体系」も踏まえて、日本の“神話”“神道”がどのように作られ、どのように変形してきたのか、自分の日本人としてのルーツ探しの意味でも、もっと勉強してみたいと思う。
◆ 「葛城と古代国家」(門脇禎二:講談社学術文庫
 古代史を少し読み始めて、飛鳥、三輪山周辺のことは少し分かってきた。それと同時に、葛城氏、蘇我氏役行者役小角)の拠点であった葛城山周辺や葛城と古代国家の関係が知りたくなってこの本を読んだ。今まで知らなかったことを色々と教えてもらった。
◆ 「日本とは何か」(網野善彦
 今までに、網野さんの本は「日本の歴史 (上・中・下)」(岩波新書)や「日本の歴史を読みなおす(全)」等を読んで、今まで知らなかった、歴史観を教えられて、目から鱗の思いだった。
 この本は図書館で見つけたのですが、網野さんが監修して全20巻くらいのシリーズになっている。新しい歴史学者がそれぞれのテーマを受け持って書いている。かなり専門的に突っ込んでいるのでこれらを全部読む気はしないが、網野さんがこのシリーズで何を言いたいのかを総論的にまとめて書いている。
 なかなか簡単に読後感が書ける内容ではないので、日を改めて書いてみたい。
◆ 「数に強くなる」(畑村洋次郎:岩波新書
 硬い本の頭やすめに読んだ。「直感で分かる数学」を書いた畑村さんの、数(すう)ではなく、“数(かず)に強くなる”ということで気楽に一気に読んだ。一応理工系だったHenryは多少数学には強かったのだが、どうも算数や“かず”には強いとはいえない。世の奥方たちは地図に弱いと同時に、“かず”にも弱い方が多いのではないだろうか。女性にもお勧めの本です。
 歳とともに暗算能力も落ちてくる。数に強くなるには、数に強くなる訓練が必要で数の感覚を磨かないといけないという。今からでも遅くない、老化防止の為に、数に強くなる訓練をしなければと思った。