イクラ&イワシ 

 「世界不思議発見」をなんとなく見た。イクラがロシア語だったとは、もと高級料亭?3男坊のHenryも知らなかった。更に、イワシがロシア語になっているのも知らなかった。
 アメリカではキモノ、テンプラ、スシ、サキ(サケ=酒)、テリヤキ、トーフなど、たくさんの日本語がそのまま英語?(アメリカ語)になっている。
 ロシア語になっている日本語ももっと多いのだろうが、ロシア語を勉強したことのないHenryはなにもわからない。こんどロシア語の達者な友人のKackyさんに聞いてみよう。
 アメリカ駐在時に息子たちの韓国人の友人から、韓国語と日本語が同じものがたくさんあると教えられた。それぞれの国との地理的、政治的、文化的関係によって日本語になった外国語、外国語になった日本語もたくさんあって面白い。
 そう言えば、テンプラはたしかポルトガル語からきていると以前読んだことがあった。念のためにインターネットで再確認してみた。

 言葉の起源、語源を調べると、国と国との政治関係、地理的関係によるところが大きいが、その国との意外な関係、歴史を発見することもあって面白い。

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■「天ぷら」の語源説様々■
 通説、俗説、私説等賑やかです。
<日本語説>
 万葉仮名説 油揚げを天婦羅阿希と書き音読みした(「嘘南留別志」1843)併し普通は阿布良と書く(和名抄)ので本の題名通り嘘ナルベシです。 山東京伝命名説 天竺浪人がフラりと出てきて始めるのだからテンプラと1781年頃に名付けたと書かれています(「北越雪譜」)が、その40年前の料理本に揚げ物でテンプラの語は既に載っています。
<中国語説>
 日本に油での調理法を教えたのは中国ですので、それならと似た言葉を探し顛不稜(テンエイプロン=肉饅頭)、塔不刺(タップラー=煮込み)、顛不刺(ティエンプラ=宝石の名)等が取り上げられています。併し何れも魚の衣揚げには結び付きません。
<西欧語説>
 天プラが普及した時期(18世紀後半)から考えてスペイン(西)、ポルトガル(萄)語に由来を求めるのは自然な考えです。言海大槻文彦先生や広辞苑新村出先生の「tempora(西、伊語)天主教にて金曜日の祭りの名。この日潔斎にして獣鳥肉を食わず魚肉鶏卵は食う。因りてこの日の魚料理の名に移りたるものとか。temporas=斎時の意。tempero(調味料)からともいう。」等が通説です。 他にtemplo(萄)=寺院で宣教師達が揚げ物を良くした。templar(西) temperar(萄)共に調節する、味を付ける、温めるの意ですが揚げている時言ったこの言葉を勘違いした(奥村彪生説)も有ります。templanza(西)=節制が一番音として転化し易い(遠山英志説)も有りますが、それならtempla(西)=テンペラ絵具、tempra(伊)=焼き入れ等は正にズバリです。料理名で初期に出てくるテンフラリもテンはtener=haveの2人称単数命令形、リはイで、テンフラリは「揚げて下さい」だとする説等、語源ですから似た音探しは当然としても未だ幾らでも出来そうな気配です。

 こうして見ると残念ながら、どの説も何とかこじつけを考えた程度で、検証不足で確たる傍証が無く、定説とは言えないと思います。
                   資料提供 ハゲ天