「動物の言い分、人間の言い分」(日高敏隆:角川oneテーマ21)

 日高さんの本を続けて読んでみたくなり、図書館の蔵書を検索して借りた。ネコとイヌの違い、ヒラメとカレイの違いの話など気楽に楽しめる。
 コウモリはご存じのように超短波を出してその反射によって周りの状況をエコーロケーションとして判断し行動する。しかし、その超短波はコウモリの種類によってCFコウモリというconstant frequency(一定周波数)の超音波を出すもの、それとは別種のFMコウモリ(frequency modulation)という、周波数を変調して発するコウモリもいるという。その一方で、大コウモリという種は我々の耳に聞こえる普通の声を出し、目も普通に使う種もあるという。ちなみに、この大コウモリは、英語ではbatではなく、flying foxという。batのような醜い口ではなく、スマートな狐のような口をしているようだ。
 永年の進化の中で、変化してきたのだろう。植物の世界も不思議がいっぱいだけど、動物の世界も、よくもこんな形でとか、こんなにうまいこと進化してきたものだと感心する。

 「うしろと前のとらえかた」という章が面白かった。ちょっと品がないかもしれないがご紹介しよう。
 動物の擬態はカメレオンだけでなく、いろいろな種に擬態が見られる。猿は発情すると赤いお尻を見せる。人類が立ち上がり二足歩行で歩くようになり、人類のメスは乳房を大きくし、お尻を乳房で“擬態”したという説を、デズモンド・モリスという動物学者が唱えている。人類のオスはやはり豊かなバストをもったメス(女性)に魅力を感じる。と言いつつ、進化の名残なのか?、メス(女性)の豊かな腰とウエストのくびれの後ろ姿にも心ときめかす。女性もそれがわかっているから、ウエストと後姿を美しく見せるべく努力しているのだろう。女性も男とは違った次元?で、男の後ろ姿で男の値踏みをしている。
 うしろからだけの判断では間違いも起こるので、男も、女も振り返ってくれないとこまる。バクシャンの女性を見かけるとどうしても振り返ってみたくなる。往々にしてバクシャンは裏切られることが多い。
 夏が近づいて、若い女性の尻出しルックが今年も目立つようになった。この尻出しルックについては、追い越して振り返ってみたいとは思わない。若いオスは振り返りたいのだろう!
 動物の言葉の話も勉強になった。人間、ゴリラはape、monkeyとは言わない。日本語にはサル(猿)しかない。人間、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン等の類人類は尻尾がない。尻尾のない類人類をapeといい、尻尾のある猿をmonkeyと言うそうだ。
 最後に、英語の問題。
Time flies like an arrow.
Fruit flies like a banana.
一行目は、ご承知のとおり、さて、2行目はいかに訳すか?
 回答はHenry blog 次号で!

<影の声>
 いい年をして、女性の腰のくびれになんて目をやっていると、また交通事故を起こすわよ! あなたももっと腹筋を鍛えて、後ろ姿をしゃんとして歩きなさい!

動物の言い分 人間の言い分 (角川oneテーマ21)

動物の言い分 人間の言い分 (角川oneテーマ21)